28話 ページ28
「あ゛?なにが違うって。そういうのは本人の前で言えよ。すぐに会わせてやるから」
すぐに会わせる…だって?一体どういうことなんだ。
「Aは単純だからテメェのことも許してくれるかもなぁ?だって、すこぉーし優しくすれば春ちゃんなんてオレのこと親しげに呼んでくれたんだぜ?滑稽で笑えるよな。両親を殺した相手だっていうのに気づきもしねぇー。けど、そんな間抜けなとこも可愛いなんて思っちまうんだぁー」
頬を赤く染めて体を震わせては吐息を漏らしぎゅるりと眼球が上に向く。
「ハハッ!あの綺麗な顔をズタズタに引き裂いてやりたい。真っ白な肌を赤くしてやりたい。けどなぁ!?警戒もなくアホな笑顔を向けてくる可愛らしいアイツも惜しくて…たまんねぇーんだ」
フッと俯いて上げた顔。そこには既に先程の笑顔はなくて瞳には殺意が宿っていた。
「そうやってオレを狂わせる。毒される。害になる。邪魔で目障りで仕方がねぇー。だからオレがこの手で壊してやらないといけねぇよなァ!!?」
「…ッ」
向けられていた銃口が額にグリッと押し付けられる。
「そのためにテメェを餌にアイツを呼び出す。オレ達は互いAに思い入れすぎちまったんだ。だからケジメをつけようぜ?そこでテメェ謝るなり許しを請うなり何でも好きにすればいい。その後にテメェの目の前でアイツをスクラップにしてやるよ。最高の思い出になるだろ?それで俺のリベンジもやっと終わりだ」
「ハッ…」
ただただ絶句した。
Aと会わせるってそういうことかよ。何でそんな残酷なことを思いつくんだ?しようと思うんだ?
今はもう俺がAに対してどうしようもない罪を犯したこととかどうとか考えてる場合じゃない。ただ…
Aをコイツに殺されるなんてことあってたまるか
「〜ッざけんな!!んなこと許すはずねぇーだろ!」
「は?ふざけてなんかねぇーし、お前の許しなんてどうでもいいんだよ。それにオレは本気だ」
ダメだ。目の前の奴は思考が完全にイカれている。本当にAが殺されてしまう。なら…!
「…ッ…あああ゛!!!」
一か八かで出た行動だった。
テーブルの上に置いてある灰皿を手に取って思いっきり頭を殴った。怯んだ三途を置いて部屋を出る。
後ろから聞こえる恐ろしい怒号を聞き流してひたすらAの元へ走った。
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Omiso(プロフ) - 十六夜夏希さん» コメントありがとうございます!好きだと言っていただけてとても嬉しく思います!また、書き終わってしばらく経った今でもこうしてコメントを頂けること幸せです!本当に最後まで読んで頂きありがとうございました! (2022年4月30日 14時) (レス) @page38 id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜夏希(プロフ) - マイキーが春千夜を見放す(?)のって珍しいですね!言葉では表せないくらい好きです。お疲れ様でした!! (2022年4月30日 13時) (レス) @page39 id: cc6ab814ba (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ゆゑるさん» コメントありがとうございます!わわっ!たくさん褒めていただいてとても嬉しいです😊何より貴方様を楽しませられたことが作者にとって一番の幸せです😭本当に最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年4月12日 8時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゑる(プロフ) - うわぁぁぁ!!今読み終わったんですけど、最高ですっ...!作者様の表現の仕方からもう素敵でした😭めちゃくちゃ面白かったです!!!!! (2022年4月12日 1時) (レス) @page39 id: 1d05848943 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - yumuiさん» コメントありがとうございます!隠れ主人公!確かにそういった捉え方もありますね…貴方様の発想に驚かされました。作り手としてしっくりときたお言葉をいただいて嬉しく思います。最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年3月7日 16時) (レス) id: 6bf568ad42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2021年10月16日 17時