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36話 ページ36

早くAの元へ と走ってやっと辿り着いた彼女がいる教室。その扉を開けようとするが手を止めた。

なぜなら中から傑と彼女の話し合う声がしたからだ。

そして、聞こえてしまった傑の真剣な声色と


「Aちゃん。私は君のことが気になっていた」

「…ッ!?」


彼女の息を呑む声がここからでも聞こえた。

あぁ、傑が彼女に告白している。それをこの扉を開けて俺が邪魔するのか?…いいや、出来ない。

応援しているといってしまった手前、親友の立場としての信頼関係を崩すようなこと俺には無理だ。

そっと扉から手を離してはその場を去ろうとする。だが、どうしても中の様子が気になり窓から覗けば、

互いに向きあって見つめあう傑と彼女の姿があった。

光がさす教室で絵になりそうな二人だけの空間がそこに出来上がっていた。

苦しかった。親友にも彼女にも置いていかれてるような気分になっては酷く心が沈んでいく。だが、次の傑の一言で沈んでいた心はドクンと跳ね上がった。


「でも、君が私のことをそういう目で見てないのは知っている。Aちゃんはまだ悟が好きなんだろ?」

「ッ…なんで…」


まだ好き ということにひたすら驚く。あんなにこっぴどくフった俺のことをまだ想ってくれていたのか?

それなら今からでも遅くないんじゃ…という淡い期待をする自分はつくづく馬鹿だと思い知らされる。


「見てれば分かるさ。君が悟を目で追ってたことも。でもね、私はその君をずっと見ていたんだよ」


甘い言葉にギュと彼女の手を掴んでは握る傑に彼女の頬は分かりやすく赤く染まっていて。

…そりゃそういう反応になるよな。何を期待してた。

彼女の今の好きは、まだ俺に告白してくれた時のように一途に俺を好きだということじゃない。

それにここ最近は傑とずっと一緒にいたのなら彼女の想いはきっとほぼ傑に傾いてるようなもの。

それに傑が俺に…いや、俺だからこそ気を遣わないことも知っていた。そもそも気を遣う必要はないしな。だって


「好きだよ、Aちゃん。フった悟とは違って私は君をちゃんと好きでいてあげれる。大事にしてあげれる。君の心の穴を私に埋めさせて…ね?」


冷たくフッたのは俺だ。それを知った上で傑がそのことを告白のだしに使ったって文句は言えない。

見つめる傑に彼女はキュッと口を結んでしばらく下を俯いたあと


「私は本当に五条先輩が好きでした」


ポツポツと知りたかった俺への気持ちを話し始めた。

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Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» 前作でも今作でもコメントありがとうございます!ドロッドロという素敵な褒め言葉、最高に嬉しいです!心情は特に意識しているのでそう言って頂けて光栄に思います!次回作を出せれた時はぜひ応援よろしくお願いします!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2021年4月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - ドロッドロでおっもい(超褒め言葉)好み過ぎる作品をありがとうございました! 前作も読ませて頂きましたが、どちらも心情描写が堪らなく好きです。作者様のペースで新しい作品を作って頂ければ飛びつきます。本当にありがとうございました。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ノアさん» 最後まで読んで下さりありがとうございました!いつもは今までの作品も読んで下さっていたのかな?今作も読んで頂き嬉しい限りです!世界観を味わってもらうよう文は意識しているのでハラハラしたという感想を頂けて大満足です!今後とも応援よろしくお願いします! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - muuさん» muu様!またのコメントありがとうございます!そして最後まで読んで下さりありがとうございました!憧れである貴方様に素敵な褒め言葉を頂けて感涙してしまいそうです(泣)いつも影ながら応援しています!そしてこの作品を応援して下さり本当にありがとうございました! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 虹野原さん» そして貴方様のような素敵な方に読んでもらえて心の底からこの作品を作ってよかったと思います!今後においてまた作品を作る機会では貴方様の応援を糧に全力で頑張ります!本当にありがとうございました! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Omiso | 作成日時:2021年2月6日 18時

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