検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:4,160 hit

世界は美しきもの ページ8

「なあ、」
目の前に佇むのは、真っ白い長髪を揺らす少女。
フリルの美しいゴスロリ調の服装や白髪やエメラルドグリーンの瞳は正直魔法使いを連想させるが、彼女の場合は生まれ持ったもの。
「ここに魔法使いが来なかったか?」
その彼女の問に、私はつい昨晩の事を思い出した。

夜も更けて、もはや辺りの星々が瞬く頃。私はなんとなくの胸騒ぎで目を覚ました。
弱ったな。弱い睡眠導入剤を使ってもこの調子か。
眠たい目を擦り、私は白衣を羽織ってから根元まで…いや、地面まで降り立って、当てもなくバイクを走らせた。
眠たい。意識が飛びそうだ。
睡眠導入剤を使ったためか、目を覚ましたはいいもののどうにも眠たい。
飛びそうになる意識をどうにかこらえつつ、私は目の前の光景を視界に入れた。
金髪碧眼の青年が、無能力者を引きずって、こちらに向かっていた。
「はぁ…はぁ……あの、そこの人!」
どうやら、青年は私を呼んでいたらしい。神樹の浄化作用がまともに及ぶこの近辺では、彼が死ぬかもしれない。
その証拠に、彼の身体の運び方が次第におぼつかなくなっている。
私は近づけるギリギリまで彼に近づく。
「この人をお願いします……僕は魔法使いだけど…この人には何もしてません…怪我をしてたから…ここまでどうにか……」
青年の崩れ方に、思わず私は、バイクに彼らを乗せた。怪我人の無能力者はともかくとして金髪の青年はここでは危険すぎる。
存在としても、彼自身の生命としても。
「…しっかりと。力の限り目をつむって私に捕まりなさい。ただひたすら真っ直ぐに飛ばすからね」
バイクのエンジンをフルスロットルでかける。
名もなき魔法使いを助けるために、とにかく速く。私はゴーグルをかけて、神樹の浄化が及ばない地域までバイクを走らせた。
それから、およそ数分。バイクの速さのお陰で、どうにかそこまで辿り着くことは出来た。
バイクから魔法使いの彼を下ろして、どうにか立ち上がらせる。
「さあ、行きなさい。ありがとう、同胞を助けてくれて、ね。これを持っていきなさい」
そう言って、私は糖分補給のために携えていた手作りのココナツサブレの小包を彼に渡した。少しでも長く脳の活動を維持させるためである。

「…なるほどな。それで怪我人が一人運ばれてきたわけか。…だがな。そんなに魔法使いにも平等にしてると、
いつか身を滅ぼすぜ」
少女の言葉は正しい。だがそれでも、目の前で困る人を捨ておく訳には行かなかった。

ごめんなさい文字数及ばなくて………→←我が主よ、どうか迷える子羊を



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 6.4/10 (15 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:神樹を守る子ら , 派生作品 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アトランティス(プロフ) - 初めまして、見させて頂いてます。ジャレットおじさま...?(混乱中)うちの子が出るなら甘い物を貰いに来そうだな...()更新楽しみに待ってます! (2019年7月28日 23時) (レス) id: a0fd450377 (このIDを非表示/違反報告)
螺旋状 - 十六夜月姫さん» 更新頑張って下さい!こちらもおじさまを借りるときがいつか来るので、そのときもよろしくお願いします!(予告) (2019年7月28日 19時) (レス) id: f31ca4f391 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月姫(プロフ) - 螺旋状さん» こちらこそありがとうございます…!おっさんはこれからもこうして悩みながらの生活をしますがよろしくお願いします…! (2019年7月26日 20時) (レス) id: 876f512bd1 (このIDを非表示/違反報告)
螺旋状 - え、あ、え、うちの貴智くんが...?(混乱)お借りしたのを確認しました!おじさまカッコいいです(・−・ )。続きを楽しみにしています!使っていただきありがとうございました(*´▽`*) (2019年7月26日 19時) (レス) id: f31ca4f391 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:十六夜月姫 | 作成日時:2019年7月19日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。