Christmas at the sanctuary!

熱くなれ！　燃やしたれ！ ページ29

うん、入れた方が良いに決まってるわ！
燃やして燃やして、熱く熱くしないと！

私はすぐさま庭にある物置小屋に直行した。
小屋の中は、スコップやら植木鉢やら肥料の袋やら、姉さんの趣味であるガーデニング関係の品でいっぱい！

「どこよ！！」

私は焦りながら、それらをせっせとどかす。後ろへ投げる。
探しているのは、電動草刈り機用のガソリンだ。
夏に使った残りがまだあったはず！

「あった！」

肥料の袋の影に、錆びたブリキの缶があった。
振ってみるとチャポチャポと音がする。

少ないけど、大丈夫でしょ！！
よし、ガソリンは手に入ったから今度は油よ！
早くしなきゃ！

私は缶を抱えてサンクチュアリへ舞い戻り、そのままの足でキッチンへと向かう。
油はいつもの所にあったので困らなかった。


右手に油、左手にガソリンを持った私。
最強の組み合わせだわね。
リーハ君に取り憑いた死神も慌てて逃げ出すわ。

さぁ！！

燃やすわよ！
ガツンと熱くするわよ！

……と、自信満々で私が居間に入ると、コノハヅキさんが右足に抱きついてきた。

「ナ、ナナミちゃん！それ、どうするの？！」
「燃やすのよ！」
「やめろ、ナナミ！あぶない！」

リーオックさんまでが私の左足にくっ付いて来た。

「ガソリンなんてだめだ！」
「あぶらもだめ！」
「だって熱くしないとリーハ君が生き返らないじゃない！」
「だめだってば！かじになるよ！」
「ならないわ！」
「なる！いまのナナミはおかしい！ぜったいパニックになってるだろ！」
「ナナミちゃん、おちつこうよ！リーハくんのことなんかほっといてだいじょうぶだよ！」
「何が大丈夫よ？！」

腹が立って、私は足を思い切り振り上げた。
二人は絨毯の上に転がった。

「私がパニックになってる？！そうだとしたら、誰の所為よ？！」
「で、でもガソリンはだめ……！」
「サンクチュアリがもえる！」
「うるさい！」

私は怒鳴りながら、ガソリン缶の栓を勢いよく抜いた。
何滴か垂れたけど、気にしないわ。

「そんなんで燃えちゃうなら、燃えちゃえば良いのよ！全部、全部、燃えちゃえ！！」
「うわあああナナミちゃんがくるったあああ！」

コノハヅキさんがそう叫んで泣き出した。
リーオックさんも、「うわああああサンクチュアリのないイギリスなんてむいみだあ！」と叫ぶ。

「サンクチュアリがかじになったら、ぼく、となりきんじょにも火をつけてやるからねーーー！！」
「ロンドンなんか火のうみになっちまえーーー！！」

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