Christmas at the sanctuary!

子供向けの本？ ページ21

連続バラバラ密室云々の方が子供受けする？
んなわけないでしょ？？

て言うかそれ、子供向けに作ってたって言うの？

ありえないわ。
ありえないわ！！！

しかもなによ、リーオックさんは「絶対に発覚しない完全犯罪をたくらめる」とか言ってるの？
…………いや、思えば最初から危険人物以外の何者でもなかったわ。

私がリーオックさんとコノハヅキさんの会話にゾッとしていると、真っ青な顔をしたリーハ君がヨロヨロとキッチンへやって来た。

「な、ナナミさん……お水を一杯頂けますか……？」
「どうしたの？」

コップに水を入れてリーハ君に差し出すと、リーハ君は一口飲んでから俯いた。

「お恥ずかしい話ですが……コノハヅキさんの描いている絵が物凄くて……見ているうちに、気持ち悪くなってしまったんです」
「ああ……」

私はその絵を見てないけど、わかる気がするわ。
私はしばらくキッチンにいるようリーハ君に勧めた。
リーハ君は喜び、私の洗ったお皿を拭くと申し出てくれた。



リーオックさん達は、リーハ君がいなくなった事は気にせずに絵を描いたり、お話をしたりとまぁ良い子にしているようだ。
いつもはあんなに仲が悪いのに。
まぁ、子供には「人間関係」という言葉自体がないようなものだからね。
リーオックさんとコノハヅキさんは、本当はこんなに仲良くなれるって事なのかしら。



ちょうどその時、「ところで、コノハヅキ！」と甲高いリーオックさんの声が聞こえて来たので、私はまた二人の会話に耳を澄ませてみた。

「なあに、リーオック」
「コノハヅキがいつもつかってるどくはどのチューブにはいってるんだ？これか？」
「え？あ、それじゃなくてこっちのチューブだよ！まちがえちゃだめ！」

毒って……はぁ、またそっち系の会話してるのね……。
私が呆れていると、リーオックさん達はさらに衝撃的な一言を発した。

「おれもつかってみたい！かしてくれ！」
「うん、いいよ！」

良くないわ！！！！

「なににつかう？どうしよっか？」
「うーーん………」

リーオックさんとコノハヅキさんは考え込んでいるみたいだ。
でも、何かに毒を盛るなんて事は絶対実行させられないわ。あれは取り上げた方が良いわね。

私がキッチンから離れようとした時、突然、今度はコノハヅキさんの泣き声が聞こえてきた。


「うわあああああんんんん！！！つまんないよおーー！！あそんでよおーーーー！リーーーハくーーーーん！」

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