かくれんぼ? するわけないじゃん? ページ12
気分がかなり良くなったので、私はテーブルのそばにあったラジオにスイッチを入れた。
明るいクリスマスソングがダイニングに流れる。
私はそれを聴きながら、またパンにかぶりついた。
リーハ君も私の目の前の席で、ほっとしたような顔をしながら目玉焼きを食べていた。
「おいしいわ、リーハ君!ありがとうね」
「いえいえ……。ナナミさんのお口に合って良かったです」
見た目はアレだけど、充分美味しい。
とにかくこれで決定ね。
姉さんのお婿さんには、リーハ君が一番だわ。
これからリーハ君を応援してあげようかしら。
………などと私が考えていると、ダイニングと居間を隔てている扉がゆっくりと開き、ひょっこりとコノハヅキさんが現れた。
「ナナミちゃーーん………かくれんぼのつづき、やろうよお」
続いてリーオックさんが現れた。
「ナナミがいないとつまらない!ひとりでおわりにするなよ!」
ふはははははは。
ちょろいわ、ちょろすぎるわ、幼児ども。
リーハ君の忠告に従って正解だったわ。
私はフン、と鼻で笑ってやった。
「私がいつ、あなた達と遊びたいなんて言いました?私は怒ってるのよ。かくれんぼなんて、あなた達だけで勝手にやってなさいよ!」
「いやだ!おれとコノハヅキだけでやったら、おたがいにみつけられないんだよ!」
「そうなの、ぜったいにみつけられないし、みつからなくなるからつまんないの!」
「そんな神隠しレベルのかくれんぼなんてお断りだわ!」
「じゃ、かくれんぼじゃなくていいから!いっしょにあそぼうよ!」
「遊ばないって言ってるでしょ!私はあなた達の所為で食べ損ねた朝ご飯を、今食べてるところなの!」
私がピシャリと跳ね除けると、コノハヅキさんは床にペタンと座り込んでヒーーーッと泣き始めた。
「あそんでよぉぉぉーーーー!!」
号泣も号泣、大号泣。
これがほんとに、あのコノハヅキさんなの………?
私がコノハヅキさんを見て唖然としている間に、リーオックさんはちょこちょことリーハ君に近づいていた。
何をするのかと思いきや、リーオックさんはいきなりリーハ君の足を両拳で殴り始めた。
「ああああ!痛い、痛いっ!」
「リーハがごはんをつくったから、ナナミがあそんでくれなくなったんだ!よけいなことをするなっ!」
リーハ君の悲鳴とリーオックさんの金切声に、一瞬クリスマスソングが聴こえなくなった。
「リーハ君になんて事するのよ!」
私はガタンと椅子を跳ね飛ばして立ち上がった。
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冷兎 - シャーロックさん» それはない、え、てか二人が言うこと聞くとか明日地球滅亡するの?? (2021年1月31日 21時) (レス) id: c9ef579e5a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - 冷兎さん» ふふふ、ナイスなのはレイトの絵がすっごくかわいいからだよ! (2021年1月31日 15時) (レス) id: 9c59d2a140 (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - 姉貴…ここであの絵を取り入れてくんのと青葉入ってくんのナイスすぎる (2021年1月31日 1時) (レス) id: c9ef579e5a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - 冷兎さん» もうめっちゃくちゃだねwこれが本当のクレイジーDAYS☆ (2021年1月29日 21時) (レス) id: 9c59d2a140 (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - シャーロックさん» あ、俺よりヤバイ人出てきてはるんですけど??え、ちょ、らんn((ナナミぃ!サンクチュアリ燃やして彼女と一緒に日本に帰って来い!! (2021年1月29日 21時) (レス) id: c9ef579e5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シャーロック | 作者ホームページ:https://twitter.com/Sherlock_Rio
作成日時:2020年12月22日 22時