【HQ】隣の王様くん【影山飛雄】 (ページ8)

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カラスの化学反応ページ8

▹▸武田

ギャリーの人達や相手の選手までもに、息を飲ませる攻撃。

素人でもルールが分からなくても“ 分かる”。

武田「･･････すんごい」

ーー勝者：烏野高校

集合の合図に一斉にこちらに走ってくるバレー部員のみんな。

それを見て気付いた溢れてた感嘆の声。

菅原「？あ、そうか先生は3対3見てないから日向と影山の攻撃見るのは今日が初ですもんね。」

疲れきってるのに嬉しそうな顔をして駆け寄ってくるみんなを見詰めていると菅原君は興奮したように身を乗り出す。

菅原「ね！スゴイでしょ？！もう速いっつーか恐いっつーか！！」

嬉しそうに話す菅原君に、驚いた口から段々と笑顔になる。

自分の口角が興奮と感動で上がるのが分かる。

へんな汗が止まらない。

心臓や何やら爪先やら鳥肌がつ。

「「「「「「「お願いしアース！！！」」」」」」」

？！

え？えっと？！

勢いく走って来たみんなは僕の前で走って来たままの勢いで頭を下げる。

慌てる僕の耳元でコソッと菅原君がフォローしてくれる。

菅原「先生。なんか講評とか…」

あっそうか！！

やっと意味がわかり、興奮にまかせ口を開く。

武田「えーと･･･僕はまだバレーボールに関して素人だけど

なにか。なにか凄いことが起こってるんだってことは

わかったよ。」

菅原君や澤村君、他の部員のみんなも少し困った表情を見せる。

そんな皆をみてココ最近の部活を思い出す。

ほんの少ししか見ることは出来てないけど、

入部する為に協力しあった2人。

武田「･･･新年度になって･･･凄い1年生が入ってきて･･･でも一筋縄ではいかなくて･･･だけど･･･」

ーー日向と影山は今はバラバラだけどちゃんと力を合わせられたらなにか･･･凄いことになる気がするんです。

そういう事か。

武田「澤村君がそんな風に言ってて、

その時はよくわからなかったけど今日わかった気がする。

バラバラだったらなんてことない一人と一人が出会うことで

化学変化を起こす。」

僕は今日、特等席でそれを見せもらった。

鳥肌が止まらない。

まだ勝利の瞬間が頭の中に、

まぶたの裏に鮮明に流れてくる。

カラスの化学反応。

どこまでだって飛んでいける。

根拠は無いかもしれないけど。

何故か強く確信出来た。