迷う理由なんてどこにもない ページ36
菅原
素早くボールの落下地点へ走る。
繋げ。味方に。
ーー苦しい時やレシーブが乱れた時
ラストボールを託されるのがエース。
わかってる。
わかってるけど。
またここでトスを待っていない旭にトスを上げて3枚のブロックと勝負させるなんて・・・
視界の端で旭を捉えるも、旭はボールを見つめてなにか思い詰めてるみたいだった。
やっぱここは嶋田さんのバックアタックで・・・
菅原「嶋田さーー「
「もう一本!!!」
ーーーあぁ
エースが待ってる
トスを呼んでる。
もう迷う理由なんてどこにもない。
菅原「旭・・・!!」
ネットから少し離した高めのトス
何本も何本も上げてきた旭ほ得意なトス。
単純なトスでも 精一杯 丁寧に。
行け!
ーーーーーー
ーー東峰
頼もしい背中の守り。
俺の為の1番打ち易いトス。
不足なんてない。
単純で当たり前のことをいつの間にか忘れていた。
俺は''独りで戦っているのではない''。
託されたボール。
何度壁にブチ当たろうとも
ーーー打ち切る。
打ち切ってこそエース!!!
町内会チーム側の点数がひとつ増える。
たった一点だけど、俺達には大きすぎた。
久しぶりのボールの感覚に少しビリビリとする右手をぎゅっと握りしめる。
東峰「ナイストス・・・スガ。・・・西谷もナイスレシーブ。」
気まずいけど、俺にこの気持ちを思い出させてくれた。
誰よりも俺を待っていてくれたチームに告げる。
ニカッと笑って見せた2人の笑顔はものすごく眩しかった。
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作者名:ツナ缶本仕込み | 作者ホームページ:http://@ya love
作成日時:2021年10月1日 20時