【HQ】隣の王様くん【影山飛雄】 (ページ27)

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気持ちはページ27

影山

結局あの後。

月島が奥村ｻﾝを連れてった後、月島は戻ってきたけど奥村ｻﾝが帰ってくることは無かった。

西谷さんの練習試合に出ない宣言。

''1人で勝てる訳ない''のは当たり前。

コートには6人居る。

ネットの''こっち側''はもれなく味方。

やっと気付けたのにバラバラのまま。

クソッ…

向けられた小さな背中に伸ばした行き場のなかった頼りない自分の手を手をギュッと握りしめる。

坂ノ下商店で部員で中華まんを頬張る。

月島は黙ってさっさと帰って山口はそれを追って帰った。

重い沈黙を破ったのは菅原さんだった。

菅原「･･･月島って奥村ちゃんと何かあったカンジ？」

澤村「いや…俺も勢いで月島に返事したから特に何も知らないな…」

日向「月島って奥村さんの事好きなの？！」

田中「･･･いや。アノ月島だぞ？？･･･いや。でも奥村ちゃんだ。」

西谷「あー！俺のクラスのヤツがこの前、奥村にフラれたって騒いでたぜ！」

は？

田中「あー！サッカー部のヤツだろ？マッシュの！！

さすが奥村ちゃん！」

西谷「潔子さんとは違った美しさと可愛さがあるんだよな！」

奥村ｻﾝの話で盛り上がる2人に少しイラつき残りの中華まんを口に突っ込む。

菅原「･･･確かさ。奥村ちゃんってバレー嫌いだべ？」

澤村「そう言えばそう言ってたな…」

日向「影山と奥村さんって知り合いなの？」

突然、話の矛先が自分に向き、突っ込んだばかりの中華まんを慌てて飲み込む。

影山「同じクラスです。隣ん席ッス。」

田中「いつっ？！惚れた理由は？！」

西谷「アレか？！やっぱ笑顔か？！」

日向「どこが好きなんだ？！」

ーーAのどこが好きか。

答えようと口を開いた瞬間、ふと、中学時代のことを思い出す。

待ってれば。ずっとバレーをしてればいつか。

また。水瀬は戻ってきてくれる。

そう思い込んでいた。

でも、いくら待てど水瀬が体育館へ姿を見せることは無かった。

そんなある日。

いつも水瀬といた金髪のヤツにも同じ事を聞かれた。

水瀬と奥村は違う。

でも、時々ふたりが重なって見える。

影山「全部ッス。

ちゃんと言えないけど…全部なんだと思います…」

ほんの少しだけ自分の気持ちが霞んで見えた。