ジャンプくらい読ませろよ ページ18
繋心
そろそろ閉店をしようと思うが生憎、読んでいたジャンプのページはめっちゃいい所。
ーーこの話終わってからでいいか。
そんな馬鹿げたことを考えた過去の自分をぶん殴ってやりたい。
繋心「中華まん?さっきサッカー部の奴が買ったのが最後だ!そんで今日はもう終了!!!」
「ショクムタイマンだっー!」
「ハラヘッター」
閉店間際に来た割にはブーブーと近所迷惑な声で騒ぐバレー部(の一部。)
「グュルルルー」
・・・・・・・・・。
あからさまにシュンと肩を落とし、スピーカーでも付いてんのかって程うるせぇ腹の音を響かせるバカ3人。
繋心「〜〜〜おらっ」
レジ横にあるバケットからお菓子を取り3人に向かってぶん投げる。
とぼとぼ歩いてたはずの3人は光の速さで振り向き
ボウズは口でキャッチ。
影山は状況を理解してないが片手でキャッチ。
チビは顔面キャッチ。
繋心「それ食って寄り道しないで帰れ!そしてちゃんと飯を食え!!」
あざース!あース!ざース!と段々テキトーになってくるお礼を残し3人は店を後にした。
菓子如きであんなに喜ぶのはAくらいだと思ってたわ…
ーージリリジリリッ
繋心「あいあいあい。」
咥えていたタバコを手へ持ち替え、店名を名乗れば執拗すぎて聞きなれた声が聞こえてくる。
繋心「・・・またアンタかよ。」
武田「しつこいかもしれませんがお願いです。未経験者で今年着任したばかりの僕では情けないですが力不足なんです。あの子らの可能性は素晴らしい。どうかお願いします・・・烏養君。」
何度も掛かってきた同一人物からの同じ内容の電話。
Aの“自分 ”が“ 自分 ”じゃないと言う意味が痛いほどわかる。
俺のジィさんは烏野で監督をしていた。
『烏野の烏養』
無名だった烏野を春高の全国大会まで導いたジィさん目当てに県外から来るヤツも居たらしい。
そのせいか、俺がコーチに欲しいと言う学校もあった。
『烏野の烏養』の孫
全部その肩書き目当てなのは分かってた。
俺の。俺自身が培ってきたバレーは意味が無い。
価値がないと言われてるようだった。
好きで堪んなかったバレーを初めて嫌いになりそうになった事が余計に悔しかった。
だから俺はAにバレーと向き合えなんて言えなかった。
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作者名:ツナ缶本仕込み | 作者ホームページ:http://@ya love
作成日時:2021年10月1日 20時