半寝女子 ページ13
▹▸岩泉
及川「だ〜か〜ら!!Aちゃんと話せたんだよ?!
聞いてる??Aちゃんと会えたの!」
岩泉「うるせぇ。聞こえてんだよ。」
実際この目で見たし。
烏野が体育館に入ってきた時、半寝状態なのか目を瞑りながら入ってきた女子がいた。
一瞬、“ 水瀬”かと思ったがアイツはバレーから身を引いた。
ここに居るはずがない。
けど、遅れて来たクソ及川がアップ中、女々っちぃ子犬みたいな顔して半寝女子と話してた時の顔で気付いた。
半寝女子は“ 水瀬”だと。
いや、確かアイツは苗字が変わってっから奥村か。
取り敢えず、Aが“水瀬 ”だとは分かった。
Aの話を続ければ及川が煩くなるのは目に見えてるから話をそらす。
岩泉「つーか。影山なんか凄くなってたな。」
及川「うん。・・・から回ってた天才が才能の行き場を見つけちゃったんだからもう凡人は敵わないんじゃない??」
影山の名前を出せばさっきまでのニタニタ笑顔を消す。
少しだけ弱気な及川に少しイラつく。
岩泉「へぇ。お前でも敵わないのかよ」
及川「“ トス”は・・・ね。トス回しで飛雄に敵う奴は県内には居ないんじゃない?」
その言い方が何となく癪に障る。
ぶっ飛ばしてやろうか。
及川「まぁ、サーブもブロックもスパイクも負けないけどね」
岩泉「「トスも負けてない」って言えよ。クソ及川」
テメェセッターだろうが!と罵ればいつもみたいな反応を見せるも、1度ゆっくりと瞬きをしてみせ、開いた目は真剣味を帯びていた。
及川「だからこそレシーブを崩すんでショ。どんなにトスが凄かったってボールがセッターに返んなきゃ意味ないんだから。・・・公式戦で烏野と当たったら・・・」
そこまで言うと突然、クシャッと笑いガッツポーズをする。
・・・なんだコイツ。
及川「レシーブめっちゃくちゃに乱してマトモにトス回しする機会なんか与えずに『一人だけ上手くたって勝てないんだよドンマイ』って言いたい!!言いたい〜!!!」
俺がドン引きしているとニッコリ笑い不思議そうな顔をする。
及川「?エ?何?だって天才とかムカつくじゃん」
岩泉「俺は女にキャーキャー言われてる奴の方がむかつくっ」
及川「僻みはみっともないぞ岩ちゃん!」
・・・やっぱりコイツぶっ飛ばす。
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作者名:ツナ缶本仕込み | 作者ホームページ:http://@ya love
作成日時:2021年10月1日 20時