烏だって爪を隠す ページ12
▹▸月島
影山を見据える相手の主将の目はどこまでも輝いていたけど、どこまでも冷たかった。その目がオウサマを捕らえた時から何となく嫌な予感はしてた。
及川「君らの攻撃は確かに凄く強かったけど
全ての始まりのレシーブがグズグズじゃあすぐ限界が来るんじゃない?」
ホラ。
やっぱり。
その目は今、確かに僕と日向を映してる。
及川「強烈なサーブ打ってくる奴は俺だけじゃないしね。
インハイ予選はもうすぐだ。ちゃんと生き残ってよ?
俺はこのーー」
別に生き残るも何も、たかが部活。
及川さんの言葉が煽りで皮肉を含んでるのはなのは分かってる。
それでも。ほんの少しだけ怒りを感じる。
レシーブが出来ないから何?
俺は特別じゃないし、変人コンビ達とは違うし。
好きや才能だけじゃ続かない。
どんなに血の滲むような努力をしたって
その先は行き止まりかもしれない。
それを僕はこの目で見てきた。
もがいて努力して、夢を語って。
どんなにボールに触れても、自主練しても。
誰よりもカッコよくてもコートに立つ権利すら与えられない。
あの涙を。
及川「このクソ可愛い後輩を公式戦で同じセッターとして
正々堂々 叩き潰したいんだからサ。」
何故か悔しさを覚えてる自分が1番ムカつく。
日向「〜レッ、レシーブなら特訓するっ!」
月島「!!?おい放せ!」
突然、日向に腕を捕まれる。
何言ってんの?僕は特訓なんてしないからネ?
そんな僕と日向を及川さんはチラリと一瞥する。
及川「レシーブは一朝一夕で上達するモンじゃないよ。主将君はわかってると思うけどね。大会まで もう時間は無い。どうするのか楽しみにしてるね。」
ッ……
影山「・・・き、気にしないで下さい。あの人ああやってひっかき回すの好きなだけなんです。」
澤村「・・・ふふっ」
慌ててフォローに入るオウサマ。
それに対して突然笑って見せる主将を心配する部員。
澤村「確かにインターハイ予選まで時間は無い。
・・・けどそろそろ戻ってくる頃なんだ。」
菅原さんや2年生は!を。僕らは?を浮かべる。
「烏野の“守護神 ”」
能ある鷹は爪を隠すって言うケド、
烏も爪を隠してたらしい。
221人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ツナ缶本仕込み | 作者ホームページ:http://@ya love
作成日時:2021年10月1日 20時