天才少女の彼氏はヤンキーだそうです。

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龍樹side


『龍樹へ。


真桜は今日も笑っていました。


もう神田君ともうまくいっているみたい。


だけど、本当のことを知ってる私としては、2人がうまくいっていることが少し悔しいな。


なんでってずっと言ってた真桜も見たくないけれど、真桜のそばに龍樹がいない光景も見たくない。



そんなことを思う私は、わがままなのかな。


真桜は、幸せそうに見える。


だけど、私は龍樹と幸せになって欲しかったんだ。



龍樹がどうしようもないってみんな言ってた。



だけど真桜だけはいつも龍樹のことをこう言ってた。


「いい人なんだ。私のヒーローなんだよ。」



私にとってもヒーローだった。




龍樹はどうしようもないって見られがちだったけど、それでも優しさとかたくさんあると思う。




真桜は、どういう人生を歩めば幸せになるのかわからない。




だから幸せにして欲しかったと思う。




真桜は天才だよ。




天才であるために努力した、天才なの。



真桜はすっごく弱くて、すっごく脆いの。




どうか、真桜のことを諦めないで』




明日香から来たメールを何度も読み返す。




なんて残酷なことを言うんだろう。




真桜のことを諦めないでなんて。





俺には諦めないって言う選択肢などなかった。




そんな俺に不可能な選択肢を突きつけるなんて。



残酷だなあ。





いや。




俺の本心を代弁してくれているだけなのかもしれない。

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