対処法131 ページ40
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わしづかんだままの両手を顔の前まで持っていくと、先輩は形のいい顎で少しつついた
「んで、女が化けたいと思うときなんて、7割方恋愛が原因なの」
ここまで言えばわかる?と顎で両手をぐりぐりする先輩に、私は口をぽかんとあけた。先輩の言わんとする事はわかったのだが、いかんせんそれが参考にできそうもない
「顧客層が求めてるものに一番近い感情よ。これはもう参考にするしかないでしょ」
『いやいやいやいやいや』
今度は私が全力で首を振る。すげぇ!一ミリも参考にできねぇ!
『恋愛偏差値クソザコナメクジの私に何故それが参考になると思ったんです???』
「だからこれから偏差値をあげるんじゃない。」
真咲君の事好きだったら手っ取り早かったのになぁ、と恐ろしいことを言い出す先輩。もし私が真咲さんにホの字だったら、この前の騒動のときガチでお姉さま方にボコられてたでしょうが!!
「もちろん単純にお化粧が好きだったり、エチケットのためだったり、他の理由もあるけど……購買欲と顧客層的には、恋愛が一番有用なのよ」
『先輩の言い分は分かりますケド……』
“恋をした女は綺麗になる”とはよく聞くセリフだ。実際それは事実だし。
もちろん精神的な物も影響してるけど、やっぱり好きな人によく見てもらいたいと頑張る影響が大きいだろう。そうなると一番先に候補に挙がるのはお化粧だ。だからこそ先輩の言い分はヨク分かる。
わかるけども………
「私だって今の夫と出会うまではあか抜けないぺーぺーだったわよ。いっつも自分の爪先みてうじうじしてるような感じの」
『エッッッ!!? 今はこんなにおキレイなのに!!!?』
目ン玉をひん剥いて先輩の顔を見ると、彼女は「怖ッ」と若干ひいたような顔をした。でも依然として両手は解放してもらえない。
すごい。この先輩のダサかった時代なんて想像できない。
職場でこそブロッサムピンクのリップをひいて物腰柔らかに接客をしているが、先輩は元々はマッドなルージュが似合うような強い女性なのだ。真っ赤なやつ。一度だけオフの日に一緒に買い物に行った事がある。あの日は凄かった。衝撃で色々吹っ飛んだ。
女性にしては高い身長を真っ赤なピンヒールが更に高くしていて、それがまったく嫌味に感じない艶やかさだった。日本ではなく、海外の夜のバーが似合うような華やかさ。隣にいるのが恥ずかしくて逃げ出したところを捕獲されたのが記憶に新しい
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あ - 面白くて一気見した者です、もう更新されないんですね、この感じだと……。残念です (5月4日 12時) (レス) id: a4dff3124d (このIDを非表示/違反報告)
レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時