対処法125 ページ34
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そんな所が好ましい。それはちょっと変わった彼女を観察するような好奇心も少しあったけれど、それを上回る思慕だった。
彼女から貰ったのは居場所と、最上の殺し文句。だったら何も持たない俺は、少しでも「護って」上げることくらいしか、返せるものがない。
それが身体でも、
或いは心であっても
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スコッチがこちらをじっと見てくる。なんでだ。
見てくるだけならいいのだけど(よくない)、さらには何かよく分からない表情をしているのだからこれが困り物だ。
微かに笑ってると形容できる口元と、ほんの少し下がった目尻をしていて、何よりそのブルーグレージュの目がマーマレードを絡めたという位柔らかい。なんだその顔は。どのスチルだ。諭吉何枚欲しいんです?
ほんとに何でそんな顔してるんだ。それどういう感情? 自分の作った料理をちょくちょく拝みながら貪ってるスッピンの成人女見てその顔ってどういう感情?
……ていうか私スッピンじゃん
『うわァぉだああアァァ』
「!? どうした!?」
『うわぁぁ見ないで下さいぃぃ』
馬鹿じゃん……私馬鹿じゃん………バカス……
化粧で顔作ってやっとギリキャラと同じ部屋に存在できるかな?って感じの顔の癖して何故メイクもしてないんだ私は
スコッチがいる事で爆上がりしてる顔面偏差値を私が著しく下げてるのは自明の理……
「ご、ごめんな!? ジロジロ見られて気持ちいい訳ないよな」
『イエ……チガウんです……ヒカリはなんも悪くないんです……髪の毛の先ほども……』
Aは土下座のような体勢で謝りながらも顔を隠すという高等技をやってのける
自分のカミサマの様に想っている彼女がいきなり顔を床にこすりつける事態にスコッチはギョッとしたが、次いででた『今私スッピンなんでハチャメチャ見苦しいんです……顔面偏差値20なんです……』という言葉になるほどと頷いた
もうすでに見ているとはいえ、猫の姿と今の自分じゃ、そりゃ見られたくないだろうな。気が利かなくて悪いことをしてしまった
ちょっぴり申し訳なく思いながらも、スコッチは謝り倒しながらいそいそ鏡台にむかうAを見送る
化粧品メーカーにつとめるAのコスメケースはぎっしりだけど、A自身はそこまで使わない。手早く軽いメイクをして髪をとかす。少しつやのでた髪の毛からは林檎の香りがした。Aの使っているヘアオイルだ
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あ - 面白くて一気見した者です、もう更新されないんですね、この感じだと……。残念です (5月4日 12時) (レス) id: a4dff3124d (このIDを非表示/違反報告)
レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時