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232. ページ33

昇降機を降りると、何人かの看護婦や医者とすれ違う。




だが、ここは看護婦が多いのか全くばれなかった。




怪しまれないよう堂々と歩いて行く。





そして太宰の病室を見つけ、中に入ろうとしたところで、先程Aをつまみ出した看護婦が通りかかった。





「その病室の患者さんは手術後すぐだからよっぽどの用事で無いと入れないわよ」





『あ!その、私先程、医師からの指示で太宰様の様子を伺ってこいと云われまして……』





「あらそう、そうならそうと早くいいなさい。




それと、貴方少しナース服の丈が短いんじゃなくて?




これだから最近の新人は……」




そう云いながら看護婦はその場を去っていった。





『ふぅ……何とかバレずに済んだ……




というか、そんなにこれ丈短いかな?』




窓硝子に反射した自分の姿を確認する。





髪は一つに纏めてあり、ナース服は膝上までしかなかった。




そして、太宰の病室の扉に手をかける。





『失礼しま〜す……』




中を見渡すと、管を体に繋げられた太宰が寝台に寝そべっていた。





太宰は動けないのか、Aに気付いていない様子だった。





太「看護婦のお姉さん、私はいつになれば動いていいのだい?




そろそろこの体勢も飽きてしまったのだけど」





元気そうな太宰にAは安堵の表情を浮かべた。





『元気そうですね、太宰さん』





Aの声を聞いた太宰は体をバッと起き上がらせた。





太「Aちゃん!?痛っ!」





『まだ動いちゃだめですよ!』





Aは太宰の体をそっと支えた。

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咲楽 - 更新頑張ってください (2018年9月11日 19時) (レス) id: 08df1a568e (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編おめでとうございます続き楽しみにしてます (2018年8月17日 18時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年8月17日 15時

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