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フョ「安心してください。急所は外させました。
その方にはマフィアとの衝突を報せる役がありますから」
『マフィアとの衝突ですって……?』
Aはフョードルの云っている事の意味がよくわからなかった。
太「君と私は……同類だと云ったね」
太宰が体を起こそうとするのをAが優しく支える。
太「確かに同類だが、一点だけ違う
……確かに人は皆罪深く愚かだ。
だからいいんじゃあないか」
太宰は微笑んでそう云った。
『太宰さん、もしかして……』
フョ「貴方……狙撃手の存在を知っていましたね?
その上で情報を得るためわざとここへ……」
太「『本』の正体は、一冊の小説だ。書いたことが真実となる、白紙の文書学」
フョ「えぇ、ぼくはその本を使って、罪の_____
異能者のない世界を創ります」
太「やってみ給えよ______やれるものなら」
その時、路地裏の入口付近から国木田と敦の声がした。
国「太宰!A!何処だ!?」
敦「姉さん!」
フョードルは踵を返して背を向けた。
フョ「では、いずれ、『約定の地』にて」
そう云うとフョードルは姿を消した。
その入れ替わりのように国木田と敦がやってくる。
国「太宰!」
敦「姉さん!大丈夫だった?」
『私は平気……でも太宰さんがっ』
国「とりあえず救急車を呼ぶ。Aは太宰と一緒にいろ」
『わかりました……』
太「参ったね……これじゃあ、君の恋人として格好がつかないじゃないか……」
『何莫迦な事言ってるんですか!
お願いですから、心配させないでください……』
Aは太宰の傷口に触れないよう、体を支えた。
その腕は震えていて、顔を見れば今にも泣き出しそうだった。
太「ごめんよ……大丈夫だから」
太宰は擦れた声でそう云い、Aの頭を撫でた。
それから、太宰は救急車に運ばれ、Aはずっと太宰に付き添っていた。
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咲楽 - 更新頑張ってください (2018年9月11日 19時) (レス) id: 08df1a568e (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編おめでとうございます続き楽しみにしてます (2018年8月17日 18時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫陽花 | 作成日時:2018年8月17日 15時