8人目の東大専科 【ドラゴン桜】

24:そうだった ページ38

ｰAsideｰ


就職しない方がいい？なぜ？




ずっと考えるが思いつかない。





失敗するとは言ってない…でも、就職しない方がいいって…なんだろう？



あぁ、ダメだ。繋がらない






桜木「綾部、なんか答え思いついたか？」



と桜木先生が話しかけてきた。





『全然っ！思いつきません！』



桜木「はぁ…お前どれだけ鈍感なんだ。すっごい近くにあるだろう。」





『近く？』



桜木「そう、常に近くだ」



『へ？何その背後霊みたいな奴！怖っ！』




桜木「やっぱ藤井の言う通り、お前バカだな」




『バカで結構！あと藤井の名前出すな！』



ったく、何でも藤井に繋げて来るんだから…



すると、桜木先生がノートに指差してこう言った。




桜木「そのノートだ。」



『え…このノート？』



桜木「それが、就職しない方がいいって言った理由だ」



『ノート…』



桜木「お前、それに短編小説書いてるだろ？」



『書いてますけど…』



やっぱ、読まれてたか…誰にも見せないでおこうと思ってたのに…




たしかに、短編小説書いてたけど…





ん…？待てよ？




今、ハッとひらめいた。






『…！そっか、あたしはこれを書く仕事の方が向いてるって事…！？』



桜木「やっと気が付いたか…綾部、お前には小説を書く才能がある。綾部は誰にも見せたくなかったようだが、俺はそれを読んだ時、誰にも見せないのには勿体無い程に面白いと思った。だから俺は就職しない方がいいと言ったんだ。」




『だから就職しない方が良いって言ったんだ…あたしは小説を書く才能があるから…』




桜木「そうだ。きっとお前ですら知らない内に才能を開花させていたんだ。」





『…でも、あたしの家、お金がないし…もっとお母さんに迷惑かけるかもしれないから…』





桜木「そんなもの関係ない！お金がなんだ、母親がなんだ、夢を追う為なら誰の意見に背こうが関係ない！綾部、夢って言うのはな…誰かに言われてやるものではない…自分の可能性を信じて進むものなんだ！」




…そっか。




あたしはその言葉でハッとした。

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