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Episode 20 【ココアサイダー】 ページ22

夜闇に染まった平民街の中を歩く。

夜と言われただけで時刻は指定されていなかったが、彼女を待たせる訳にも行かないから足取りは早い。


「La ta lu la ta…」


歌声が聴こえた。曲は少し前に流行った曲。
その声の元に行くと、軽くステップを踏み、それからターン。歌って、それからまた踊る彼女がいた。

呼びかけて止めるには惜しいが、時間がない。行くとしよう。

近づいていくと、俺の革靴の音に気づいたのかすぐさまこちらを向いた。



「あら、早かったわね」

「君もな。とりあえず此処じゃ人目につきやすい。何処かへ行こうか。」

「私は大丈夫よ、逃げ足は速い方なの」

「強いお姫様も嫌いじゃないが、追いかけられてからじゃ遅い。俺の家へ行こう。」


彼女の手を引いて、路地裏の外から出る。


「こんばんは、お二方」

「「!」」


後ろから声をかけられ、思わず振り向く。
そこにいたのは夜の色と同化したような制服を着た男…警察官だった。


「やぁ、どうかしたのかい?」


無言じゃ怪しまれると思い、とりあえず話しかける。


「いえいえ、もう0時になるので見回りをしていたらお二方がいたので声をかけただけです。
この辺りはつい最近怪盗がよく盗みに出るので、我々警察が見回りをしているのです。」


お二方もお気をつけて、と言って夜闇の中に消えていった。
それを見計らい、俺たちも再び歩き始めた。


「警察も侮れないな。」

「けど何だかワクワクするわ。」

「そうか?俺はヒヤヒヤしてるよ。国内一の財閥のご令嬢と一緒にいるからな。」

「ふふ、私はね」


__何だか貴方と駆け落ちしてるみたいでワクワクするわ。__


彼女は何気なく言ったんだろうけど、それは俺を困らせる言葉でしかなかった。

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夕焼けと白猫 - とても面白いです。 更新、頑張ってください。 (2018年6月21日 21時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Laurence x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uranaikari1/  
作成日時:2018年6月17日 23時

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