【文スト】一般人の中原です その二

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採寸を終わると、定員が服地を持って来た。









「これなんてどうだ？」





『えぇ、赤い線は要らないよ』





「格好良いだろ」





『ストライプは良いけど、普通に黒で良いよ』





「中地は……これは？」





『いや、もっと普通の色で』





「普通って何だ？」





『そんなどぎつい色じゃ無い奴』





「あぁ？ こんなもんだろ」





『こんなん着て何処行くのさ？』





「……会食、とか？」





『何の？』









センスと価値観が微妙に違う兄弟の会話を、店員は微笑ましく思いながら聞いていた。









スーツの服地、ネクタイ、ベルト、革靴など、

一式決め終わる頃には、Aは疲れた表情をしていた。









『……しま〇ら』





「恋しそうに云うな」




『あ、そう云えば今日卵が安い日だった。この後スーパー寄って』





「待て、その前に帽子見ようぜ」




『えぇ、まだ買うの？』



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