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「……は?」
『うん、まぁそうなるよね』
間の抜けた声を発して、呆けた顔をする中也。
Aは中也に、悪霊に取り憑かれた事と、斬島達、獄卒の事を説明した。
それを聞いた反応が、これ。
しかし、中也は目の前のモノをすぐに受け入れてくれた。
「んで? その亡者っつーのは、何処に居んだ?」
「今はまだ現れていない。しかし、取り憑かれた彼の前に亡者は必ず現れる」
「それをボコれば良いんだな」
意気揚々と、中也は指を鳴らしながら云った。
「止せ。下手に生者が手を出して良いモノじゃない」
「その生者にボコられた手前等は何だ? 地獄の鬼だっけか?」
中也が軽く挑発すると、金棒を握り締める谷裂。
また喧嘩が勃発しそうな雰囲気に、Aが止めようと踏み出そうとした。
「それに、Aに手ぇ出して来たのは向こうが先だろ。
相手が誰だろうと、きっちり倍で返す――――それが俺達のやり方だ」
「……これは止められないねぇ」
中也の言葉に、佐疫は困った様に呟いた。
谷裂は不満そうにふんっと顔を逸らした。
『――いっ!』
その時、Aの腕に痛みが走った。
「Aっ!?」
腕を押さえてしゃがみ込むAに中也が近付く。
見れば腕に浮かんでいる痣が、ドクドクと鼓動していた。
「……来たか」
獄卒達は周囲を警戒する。
すると、周りに黒い霧が立ち込めた。
そして、Aの視線の先に、あの女性の亡者が現れた。
《好き、好き……愛してぇ》
先程とは全く別人の姿に、背筋がゾクッとした。
ヒタリ、ヒタリと、足音を響かせながら此方に近付いて来た。
『こっちに、来てる……』
「何っ!? 何処だっ!」
「糞っ、何だよあの霧っ! 何も見えねぇっ!」
『目の前に来てますっ――――佐疫さんっ!』
「っ!?」
佐疫が構えていた銃の先端を亡者が掴んだ。
瞬間、そのまま佐疫が吹き飛ばされた。
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ソルト(プロフ) - この作品にてねこぱふぇさんの作品を全て読み終わりました。どの作品も面白く1日で読み終わってしまいました…これから2週目に入ります。今後のご活躍を期待させていただきます。 (2019年6月14日 0時) (レス) id: 61b043fd1c (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - ネコぱふぇさん» 弟君の幼女化ありがとうございました!!弟君シリーズすごく好きです!!これからも応援しています! (2019年4月30日 21時) (レス) id: 3faee80352 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのごん子 - 獄都事変とコラボしてガッツポーズしたのは私だけじゃないはず (2019年4月29日 21時) (レス) id: 1eba992f2c (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - 大阪さん» すみません。バチカン奇跡調査官は詳しくないです。 (2019年4月29日 10時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
大阪 - リクエスト、まだ大丈夫でしょうか?バチカン奇跡調査官とのコラボがみたいです… (2019年4月29日 5時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2019年3月24日 23時