【呪術廻戦】こっち来んな呪術師！

異変 ページ34

.





『……最悪、出血大サービスじゃねぇんだぞ』





呪霊の頭を叩き潰した途端、盛大に返り血を浴びた。

顔面は勿論の事、全身にまでドロドロした液体が纏わり付く。

消滅した呪霊の身体から落ちた刀を拾って鞘に納めた。

とりあえず任務完了。

出口に向かいながら補助監督へ連絡をしようと携帯電話を取り出す。





丁度その時に着信音が鳴った。





『んだよ…………お前、何てタイミングで掛けてくんだよ、五条』



＜文句言う割には出るの早ぇじゃん。お前んトコもう終わっただろ＞



『今正に戦闘中だったらどうしてくれんだよ。終わったけど』



＜終わってんなら良いじゃん。俺等の方も終わった所でさ……え、なに傑？ 今セーイチに掛けてる……いや邪魔してねぇし＞





電話の向こうで五条と夏油の話し声が聞こえる。

つーか何の用で掛けて来たんだよ。

俺は補助監督に連絡しねぇといけねぇのに。



通話を切ろうかと思った時、足元でカサッと何か音がした。

ケータイを耳に当てたまま下を見ると、何やら古びた紙が散らばっていた。

こんな場所だ、ゴミが落ちているなんて普段はそれ程気にするものではない。

しかし、何故かその紙が今日に限って気になった。

その場にしゃがみ込んで紙の破片を摘まんだ。

それは帯状に細く長い形をしており、何やら書かれてある。

文字と言うよりも記号に近いそれは、俺が良く見るモノにそっくりだった。





それは所謂、結界や封印で使用する札だった。





俺はそれの写真を撮り、五条へとメールを送った。

未だ繋がっていた電話で五条を呼びつける。





『おい五条、今送った写真調べてくれ。何か嫌な感じが――』





その後の言葉が出なかった。

強い衝撃が正面から来たと思ったら、俺の胸から血が噴き出した。





.

特級→←廃病院にて

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す