誰？

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『お疲れ様でした…疲れた…』



｢A、大丈夫か？送ってくけど｣



『そんな申し訳ないことできませんよ！』






ユンギ先輩に送って頂くなんて、おこがましいにも程がある。



心配そうな様子のユンギ先輩に、お疲れ様でした！と頭を下げ、背中を向けて歩き出した。








大丈夫。ストーカーなんかいるわけないし。









大丈夫、だよね。





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……と、思ってたけど。








(……つけられてる、気がする、)






背後に、なにか気配を感じる。




けど、振り返ってみても、そこには自分の影だけが伸びているだけ。






『……考えすぎ、だよね』









そう思ってまた歩き始める。








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けど、その違和感はなくならない。




止まると、それも止まる。



歩くと、それも歩く。





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足を早めても、それも比例して早くなる。









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『……あ、そうだ、』



怖さしのぎに、連絡先から"チョン ジョングク"の名前を探す。


プルルル、と3回のコール音の後に、はい、といつも通りのグクの声が聞こえる。







｢……もしもし、A？どうした？｣




『あ、えと、…


グク、暇かなぁ、って思って、電話した、』



｢はぁ？……



お前、どうした？なんか声震えてない？｣







どうしよう、この状況も相まって、泣きそうだ。



グクにはバカにされるだろうから、って、ストーカーのことは言ってなかった。







けど、そんなこと言ってる場合じゃないから。








『……つけられてる気がする、』



｢は？……今どこ？｣



『バイト帰り、××町、』



｢……あぁ、了解。すぐ行くから安全なとこで待ってろ｣







ぶち、つー、つー、と電信音が響く。






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背後の気配は、消えない。泣きそうになるのを懸命にこらえ、私はかろうじて近くにあった、コンビニに入った。

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