誰？

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そうして、ユンギ先輩の彼女としての毎日が始まった。



先輩と付き合ってから、わかったことがいくつかある。





朝は不機嫌。基本的にテンションは低いけど、高い時は面倒臭い。タバコを吸うけど、お酒は飲まない。イライラすると爪を噛む癖がある。



そして。私にはとことん甘い。




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｢…A？どこ行くの、｣



『先輩？今日は私大学に用事あるので行かないと、』





朝、ひとりベッドから出ると、寝ぼけた先輩が、私の袖の裾を掴んだ。



その手を離そうとすると、もう片方の手で引っ張られて、ベッドに引き戻される。



寝起きでぼやぼやしてる先輩は可愛いけど、ちょっと面倒なんだ。









｢…… 用事って何、｣



『教授に提出するものがあるの、』



｢…じゃあ送ってく｣



『大丈夫ですよ、…昨日遅くまでバイトだったでしょ？』







ね、とユンギ先輩から、そっと離れて準備に取り掛かる。



あ、そうだ。





『先輩、今日は自分の家に帰ります。最近ずっとユンギ先輩の家でお世話になってるので、』





そう言いながら、着ていた部屋着のボタンを外し始める。



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背後で、のそ、とベッドから先輩が起き上がってくる気配を感じた。











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不意に首筋にチク、と小さな痛みが走る。






…あ、キスマ付けられたかな。






同時に、後ろから包み込まれるように抱き締められ、ボタンを外していた手に、ユンギ先輩の手が重なった。




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｢…なんで帰んの。いいじゃん、俺ん家にいたら｣



『…せんぱ、……ユンギ。今日は帰らせて、』



｢…じゃあ俺もAの家に行く、｣



『……わかったから、離して。』





ん、と離れていったユンギ先輩。…最近はいつもこうだ。私のそばを離れたがらない。





こんな甘ったるい時間、嫌ではないけど。





… グクの二の舞になりそうで、怖かった。

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