誰？

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｢Aちゃん！…お、おはよう！｣



『……あ、テヒョンくん。……おはよう。』







おはようテヒョンくん。今日も相変わらず、内気な感じがすごいね。昨日の勢いは一体どこいったの？


…なんて、心の中で悪態ついてみる。心に余裕ないな。私。






少しぎこちなく私の隣に座るテヒョンくんが、へへ、と笑った。




｢へへ、友達だから、隣座ってもいいもんね｣



『……そうだね。』



｢本当夢見たい、…Aちゃんと友達になれるなんて、｣



『……うん、』









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｢……ねぇ、聞いてる？さっきから上の空なんだけど？｣



『あ、ごめ、』





二重人格のようにコロコロ変わる彼の表情に、昨日から驚かされてばかりだ。


謝るとすぐに、ううん！ところっと笑顔になるテヒョンくん。





…本当に調子が狂う。


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｢……あ、ねぇねぇ。お願いがあるんだけど！｣



『？…何？』



｢連絡先、交換しよ！｣



『……いいよ』




そう言うと目をキラキラ輝かし始めるテヒョンくん。


ラインでいい？と聞きながら、QRコードを差し出した。


それを読み取る彼の不慣れな手つきに、あぁこの人、本当にこういうの今までやってこなかったんだろうな、ってしみじみ思った。



…まぁ私も、大学入ってから、グク以外、初めてだけどね。こういうの。








｢…あ！出来た！｣



『…、』




新しくなった友達リストに、ユンギ先輩、両親、…そして新たに、テヒョンくんの名前加わった。






｢…へへ！これでいつでも連絡取れるね！｣



『…うん、』





嬉しそうにはしゃいでる彼を後目に、私はため息をついた。







…


朝のあのグクの顔が、頭に焼き付いて離れない。



いくら私のため、グクのため、と思っても、彼を傷つけたことに変わりはない。






…頭の中は、グクでいっぱいだ。




隣ではしゃぐテヒョンくんの声は、聞こえない。

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