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「ありゃ、もしかしてさっきの彼とオトモダチになれそうだった?」
講義室を出てしばらく歩いたところで、グクが、あちゃー、という顔をした。
『…もしかして…!さっきの彼は私とお友達になろうと!?』
「あそう?オトモダチ作りの邪魔してごめんね」
『ほんと反省して』
なんてふざけながらグクと歩く。…と、そろそろバイト行かなきゃ。
『じゃ、そろそろバイトだから、またね』
「はいはい、また明日」
グクと別れ、バイト先へ続く道をひとり歩く。
夕暮れの陽射しに、電柱の影が伸びていた。
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『お疲れ様です!』
「あ、お疲れ。」
そう言って出迎えてくれたのは、最近このバイトに入ってきたユンギ先輩。
私のストライクゾーンのど真ん中を撃ち抜いてきた先輩に、実はひっそり思いを寄せているのだ。おこがましいけれど。
実は先輩T大生なのに、お米をとぐのに洗剤を使い始めるくらいそういったことには疎い。よくバイトに採用されたと思う。
そんなことを考えていたら、ふいにユンギ先輩が声を上げた。
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「あ」
『どうかしました?』
「この前言ってたストーカーの件、大丈夫?」
『……あぁ、そうでした、』
そう。
ストーカー、かどうかはわからないけど。最近、どこからともなく視線を感じるのだ。
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最初は、なんとなーく、軽い感じでそれを話したんだけど、ユンギ先輩は思いのほか深刻そうな顔でその話を聞いていた。
「それって、ストーカーじゃねえよな?」なんて、ユンギ先輩のその一言で、その存在を意識し始めた。わけだけど。
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「大丈夫ですよ!ストーカーじゃないかもしれないですし。だいたい、私友達もいないんで、狙うやつは相当な物好きですよ!」
あはは、と明るく返すと、ユンギ先輩が眉をひそめた。
「……まぁ、気をつけろよ」
『はい、ありがとうございます!』
ユンギ先輩、やさしいなぁ。
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ちむたろう(プロフ) - さきさん» えぇ、嬉しすぎます!さきさんのストライクゾーンを無事射抜けたようで嬉しいですふふふ!(⌒-⌒)「?」本当に気に入って頂けたみたいで嬉しいです!ありがとうございます.......!! (2020年3月10日 16時) (レス) id: 480aaa9b57 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ところどころ、「?」につながっているところとかこの犯人が誰かわからない、ちょっと身震いしそうな物語マジでストライクゾーンです。素敵な作品ありがとうございます!!もう私の頭からはストックホルム症候群は離れそうにないです(( (2020年3月9日 22時) (レス) id: 71073e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - いつきさん» いっちゃん…あんた嬉しい事言って…!!!(誰だよ ありがとう!そんなふうに言ってくれて嬉しい!!更新頑張るよ!最後に言わせて、すき(はーとはーと) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - すごい引き込まれています…凄すぎます。毎日毎日更新される通知が来るたび見ています、本当に大好きな小説です…。これからも応援しています、頑張ってください( ; ; ) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - さくらんぼさん» さくらんぼさん!『最後の手紙』、大好きです!(●´▽`●)コメントありがとうございます!嬉しいです!ユンギさんですか…!ふふ、最後までお付き合いくださいね(¯v¯)!素敵なコメントありがとうございました! (2020年2月18日 22時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:uni x他1人 | 作成日時:2020年2月15日 17時