. ページ29
.
『うわ、……』
翌朝、鏡に映る自分を見て、思わずそんな声が出た。
げっそりしてる上に、泣いたことも相まって目元がパンパンだ。
こんな顔でグクに会うのかぁ、嫌だな。
…いや、違った。
『…距離おくって決めたんだった、』
あはは、情けないな。私。
.
今日からは、一人。強くならなきゃ。
.
『よし……、っ、』
パン、と頬を叩いて、前を向いて。
勢いよく、玄関のドアを開けた。
.
.
「…あ、やっと来た。おはよ、A」
.
『……
グク、』
そこには、グクがいた。
あの時みたいに、鼻の先を赤くして。
.
『……っ、』
何か、言ってしまう前に。ぎゅっと唇をかんで、私はグクを通り越して歩いた。
.
そんな私のあとをついて、グクが話しかけてくる。
「ねぇ、なんで昨日電話出てくれなかったの?俺、何回もかけたのに。」
『………、っ、』
「謝ったじゃん、俺。まだ怒ってる?ごめんってば、」
『……やめて、』
「……ねえ、戻ろう、俺たち。
だってA。
俺いないとダメでしょ?」
その言葉に、かっ、となる。
『やめてよ!!!!!!』
そう怒鳴って、立ち止まった。
あぁもう。
止まれない。
『…ねぇ、グク。
私たち、このままだとお互いおかしくなっちゃうよ、
もう、やめよう?…私たちそばにいたらダメになる、』
泣きそうになるのをぐっと堪えて、必死に、絞り出すようにそう言う。
.
お願い、わかってよ。
1204人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちむたろう(プロフ) - さきさん» えぇ、嬉しすぎます!さきさんのストライクゾーンを無事射抜けたようで嬉しいですふふふ!(⌒-⌒)「?」本当に気に入って頂けたみたいで嬉しいです!ありがとうございます.......!! (2020年3月10日 16時) (レス) id: 480aaa9b57 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ところどころ、「?」につながっているところとかこの犯人が誰かわからない、ちょっと身震いしそうな物語マジでストライクゾーンです。素敵な作品ありがとうございます!!もう私の頭からはストックホルム症候群は離れそうにないです(( (2020年3月9日 22時) (レス) id: 71073e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - いつきさん» いっちゃん…あんた嬉しい事言って…!!!(誰だよ ありがとう!そんなふうに言ってくれて嬉しい!!更新頑張るよ!最後に言わせて、すき(はーとはーと) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - すごい引き込まれています…凄すぎます。毎日毎日更新される通知が来るたび見ています、本当に大好きな小説です…。これからも応援しています、頑張ってください( ; ; ) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - さくらんぼさん» さくらんぼさん!『最後の手紙』、大好きです!(●´▽`●)コメントありがとうございます!嬉しいです!ユンギさんですか…!ふふ、最後までお付き合いくださいね(¯v¯)!素敵なコメントありがとうございました! (2020年2月18日 22時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:uni x他1人 | 作成日時:2020年2月15日 17時