. ページ19
.
「……あの、」
『…あ、』
久しぶりに、この声を聞いた。最近色々と不安定だったから、講義に出れてなかった。
彼は相も変わらず、ぎゅ、と鞄の紐を握り締め、こちらを見つめていた。
グクの、『いつでも他人は警戒しろ』、という言葉を忘れずに。
『どうしたの?』
「……最近、講義出てなかったよね。なんで?」
『え、と、……あ、体調悪くて、』
そう言ってたはは、と笑う。一刻も早くこの場を去りたい。その一心。
それなのに。
.
「…嘘だ」
『……ちょ、』
テヒョンくんに、腕を掴まれた。ぎり、とその手に、力がこもる。その痛みに、顔が歪んだ。
テヒョンくんは無表情で私を見つめてる。その目の黒さに、ゾッと背筋が冷たくなった。
.
彼は一体、私に何を求めているのだろうか。
.
(……あ、そうだ、)
私はテヒョンくんの死角で、トーク履歴の1番上にいるグクの名前を押した。
"はやくきて"
それだけうって、送ろうとした。
…けど、
.
「バレバレだよ」
あっさりそれもバレて、抵抗虚しく、スマホを奪われる。
『や、返して!』
「…邪魔されたくないんだよね。」
そう言いながらテヒョンくんが、笑顔でスマホの電源を切った。
.
『……なに、何がしたいの?』
そう言って、きっ、と彼をにらみつける。けど対称的に、彼はただ、笑っていた。
「だから言ったじゃない。ただ君とお話したい、って。」
1204人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちむたろう(プロフ) - さきさん» えぇ、嬉しすぎます!さきさんのストライクゾーンを無事射抜けたようで嬉しいですふふふ!(⌒-⌒)「?」本当に気に入って頂けたみたいで嬉しいです!ありがとうございます.......!! (2020年3月10日 16時) (レス) id: 480aaa9b57 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ところどころ、「?」につながっているところとかこの犯人が誰かわからない、ちょっと身震いしそうな物語マジでストライクゾーンです。素敵な作品ありがとうございます!!もう私の頭からはストックホルム症候群は離れそうにないです(( (2020年3月9日 22時) (レス) id: 71073e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - いつきさん» いっちゃん…あんた嬉しい事言って…!!!(誰だよ ありがとう!そんなふうに言ってくれて嬉しい!!更新頑張るよ!最後に言わせて、すき(はーとはーと) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - すごい引き込まれています…凄すぎます。毎日毎日更新される通知が来るたび見ています、本当に大好きな小説です…。これからも応援しています、頑張ってください( ; ; ) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - さくらんぼさん» さくらんぼさん!『最後の手紙』、大好きです!(●´▽`●)コメントありがとうございます!嬉しいです!ユンギさんですか…!ふふ、最後までお付き合いくださいね(¯v¯)!素敵なコメントありがとうございました! (2020年2月18日 22時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:uni x他1人 | 作成日時:2020年2月15日 17時