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『でね、それで昨日、バイト先で、』
「うん、へぇー」
『先輩、洗剤でお米とぎそうになってて』
「それな」
『本当に世間知らずすぎて可愛いユンギ先輩』
「おっけおっけ」
目の前でスマホを弄るジョングクは、今日も今日とて、相も変わらず、私の話には興味なさげ。
それでも構わずに話を続ける私も大概だろうけど、案外この時間が楽しかったりする。
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学食1杯200円のカフェラテを啜りながら、さりげなくグクのスマホに手を伸ばす…
…と、即座に交わされた。ちょっとくらい見せてくれてもいいのに。
「…んだよ」
『また彼女と話してんの?』
「…まぁ、そんなとこ」
『いい加減彼女紹介してよ。』
「え、やだけど」
お前めんどくさいもん、と失礼なことを言いながら、グクがスマホを机に置いた。
そんなグクを見ながら、ふん、とわざとらしくそっぽを向く。
『…彼女いるなら、いつまでも私の相手してくれなくていいけど?』
「…だって、友達俺しかいないじゃん、お前。」
『はぁ?友達くらいいるし』
「へーへーどこにですかねー、そのおともだちとやらはねー」
『適当に流すのやめろ』
そんな私に、はは、とグクが乾いたような笑い声をあげた。なんだこいつ。
「…何?ヤキモチ?」
『焼き餅はそんなに好きじゃないよ』
「聞いてねぇよそんなこと」
『…別に。グクがいなくたって、私は大丈夫だけど』
「俺いないと困るくせにね?」
ね?と笑うこいつはシンプルに性格が悪いと思う。けど、実際なぜか私はグクしかまともな友達がいない。
うぅ、と唸って、チラ、とまたグクに視線をやった。グクは相も変わらず笑顔で。
『…グクもなんだかんだ私のこと好きだもんね。』
「じゃ行くわ」
『待ってごめん、置いてかないで』
早くしろよ、と冷たいグクのあとについて、空になったトレーを持つ。
悔しいけど。ジョングクしか仲良くできる人、いないから。
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グクしか、友達出来ないから。
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ちむたろう(プロフ) - さきさん» えぇ、嬉しすぎます!さきさんのストライクゾーンを無事射抜けたようで嬉しいですふふふ!(⌒-⌒)「?」本当に気に入って頂けたみたいで嬉しいです!ありがとうございます.......!! (2020年3月10日 16時) (レス) id: 480aaa9b57 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ところどころ、「?」につながっているところとかこの犯人が誰かわからない、ちょっと身震いしそうな物語マジでストライクゾーンです。素敵な作品ありがとうございます!!もう私の頭からはストックホルム症候群は離れそうにないです(( (2020年3月9日 22時) (レス) id: 71073e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - いつきさん» いっちゃん…あんた嬉しい事言って…!!!(誰だよ ありがとう!そんなふうに言ってくれて嬉しい!!更新頑張るよ!最後に言わせて、すき(はーとはーと) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - すごい引き込まれています…凄すぎます。毎日毎日更新される通知が来るたび見ています、本当に大好きな小説です…。これからも応援しています、頑張ってください( ; ; ) (2020年2月18日 23時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
ちむたろう(プロフ) - さくらんぼさん» さくらんぼさん!『最後の手紙』、大好きです!(●´▽`●)コメントありがとうございます!嬉しいです!ユンギさんですか…!ふふ、最後までお付き合いくださいね(¯v¯)!素敵なコメントありがとうございました! (2020年2月18日 22時) (レス) id: 4df5af503c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:uni x他1人 | 作成日時:2020年2月15日 17時