振られた【三ツ谷隆】

21：対立 ページ23

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「何処って……保健室に連れて行くんだよ。俺保健委員だから」






あ、そういえばそうだったっけ。

この前にマイキー君とばったり会ったのも委員会の集まりの帰りだったんだ。







「…別に、タカちゃんが連れて行かなくてもいいじゃん。他の人に頼みなよ。断るのも大事だよ？」









私が隆に連れて行くようにお願いしたとでも？？


彼が勝手に抱き抱えてきたんだから私にはどうすることも出来ないんだけど。










「……俺が連れて行きてぇんだよ」









連れて行きたい？？？なんで？？？




もう分かんない。隆のこと全く分かんない。









「…え、今なんて？タカちゃん。モモ聞こえなかったぁ」







少し苛立っているのか、声が震えてる。




…あ、これダメだ。めんどくさいことになるやつだ。











「……俺が連れて行きてぇから抱き抱えてんだよ。分かったらどいてくれ、モモ」



「…わっかんない！！何それ！！モモより雅火さんを優先するの！？」



「そんな話は今してねぇだろ、いいからどけ」








隆の口調も荒くなっていく。



そこで争うなら降ろしてからにして欲しい。とりあえず顔冷やしに行かせて欲しい。





でも口挟んだら余計悪化しそうだから黙っておこう。






「…あ、ごめんなA。すぐ連れて行くから」





立ちはだかる姫治さんの横を通って保健室へと向かっていく隆。





『…あ、りがと…』




流石に何も言わないなんて最低なことはしない。



私の"怪我"を心配してくれたんだから、お礼は言わなければ。







「いーよ、早く冷やそうな」







…なんでそんな優しい顔で見てくるの？



まるで付き合ってた頃みたいに……



本当に、彼は私を振ったのだろうか。



だって、元カレがこんなことするなんてありえないじゃない。









……心を揺さぶるの、ホントにやめて下さい。

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