スマホから推しがでてきた 続 【北信介】

体育祭6 ページ7

鉄腕だっしゅが終わったあとはパン食い競走

自席に戻りパタパタと体操着で扇ぐ。

『はっー、あっつい』

女子力の欠片もない声が出てしまった。

この競技も双子一緒に出るらしい

なんならもうあの2人全部一緒だったりして。

いや、それは流石にないか、いくら双子でも。

ボーッとしているとピストル音が耳に入る

どうやら始まったらしい。

治君は誰よりも速くパンにありつこうとしていて、

治君がなんでパン食い競走を選んだのかやっとわかった。

あの人、パンを食べるためだけに選んだんだ…!

なんて食欲に忠実な人なんだろう…



パンの力で見事1位を勝ち取っている。

恐るべし食への愛情…



パン食い競走が終わったあとは昼休憩にはいる。

スマホがらいんの通知音知らせる

私は何となく、期待しながらスマホの通知を見る。

『やった、』

ポソり、と声が出てしまった。


北さんからお昼のお誘いが入っていたから、つい。

北さんを見つけ駆け寄って名前を呼ぶ。

『北さん！』

「おん、行こか」

北さんに着いていく。

着いたのは人通りの少ない校舎と体育館の繋ぐ外廊下で、日陰になってて少し涼しい。

「今日は内緒でここにしよ」

人差し指を立て口元に持っていく北さん

体育祭マジックで滅茶苦茶輝いて見える。や、いつも神々しく輝いてるけど

「柘榴足速いんやな、かっこよかったわ」

北さんに褒められてつい鼻が高くなりそうだ

『へへ、ありがとうございます…』

「おん、生き生きしとったしな。あんな柘榴滅多に見れんわ」

ええもん見たわ、と微笑む北さん。

いや、今の私こそいいもの見れました。ありがとうございます。ご馳走様です。

『北さんは午後からですよね、楽しみです！』

北さんの出る種目は死んでも目に収めてやる。

「そない期待されても困るわ。」

そう言い豆腐ハンバーグを食べる北さん。可愛い

『北さん、豆腐ハンバーグ好きなんですか？』

つい気になって聞いてみた。

「おん、好きや。」

多分人生の中で今程豆腐ハンバーグが羨ましいと思った瞬間は無いと思う

「柘榴の作った豆腐ハンバーグ食べてみたいわ」

『？わ、私のですか…？』

豆腐ハンバーグに嫉妬している私の？

頭に？が浮かぶ。

「おん、前から治が騒いでん。柘榴の旨いゆーて」

そ、そうだったんだ。初耳

「やから俺も羨ましい思ってな」

そんなこと平然と言われても、

こっちの心臓耐えられないんですけど！！！

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