スマホから推しがでてきた 続 【北信介】

27日目 昼 ページ32

『北さーん！！北さーん！！』

「そんな大声出さんくても聞こえとるわ」

いつものように中庭でご飯を食べる前に、

私は北さんにテストの結果を伝えたかった。

『ごめんなさい！テスト返ってきました！』

「どうやった？」

『北さんに教えてもらったので良かったです！』

そう言うと北さんは少し口角を緩めた

「俺やなくて、柘榴が頑張って勉強したからや」


『聖母…』

「は？」

神のような一声に思わず本音が漏れ出てしまい、

北さんに訝しげな表情をされてしまった。

まあそれは兎も角結果を伝えられたので満足。



それにしても北さん、相変わらず顔が良い

それに、日差しが当たって髪の毛がキラキラ輝いている。

『北さんの髪、凄い綺麗ですね…』

「…そうやろか」


少しだけ目を伏せる北さん。

もしかして、あまり触れてほしくない話題だったかもしれない。

「俺の髪地毛やねん。昔はよお揶揄われたわ」

どうやら、昔の事を思い出していたようだ。

この綺麗な髪も、他の黒髪の人に撮っては珍しかったのだろう。

でも、それは聞き捨てならない。

「珍しんのんは確かやし、もう気にしてないけどな」

『っ…私、北さんの髪好きです！！』

思わず告白まがいのことが口から漏れ出る。

北さんはいきなりの事に驚いたのか目が開眼していらっしゃる。

「…ふはっ、ほんま柘榴面白いわ！」

ケラケラと結構豪快に笑う北さんに、少しホッとした

「ありがとおな」

そう言う北さんに、心臓からありえない音が聞こえてきた気がした。

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