スマホから推しがでてきた 続 【北信介】

体育祭 15 ページ16

『なっ、揶揄わないでください！』

面白そうにクスクスと笑う北さん。

私はたった今嫉妬したと自白をしたというのに！

「や、すまんなんか面白くてな」

何が面白いというのだこの人は、

私が嫉妬したことに対して見事手のひらで転がされたなとでも思っているのか！

いや、それは流石に私がひねくれ過ぎか。

「気付かんかったか知らんけど、俺もヤキモチ妬いてたんやけど」

笑いが収まった北さんは少し面白そうに言う。


『へ、北さんが…？』

いきなりの告白に心臓が跳ねた。

「そや。治とハニカミペアなっとるし、ちょい予想外やったけどお姫様抱っこしとるし。」

内心俺やって複雑やったわ、とサラリと言い退ける。

なんでこの人はこんなに悠然としているのだ？

『え、じゃあまあ、お互い様的な…』

「まだ話終わってないんやけど」

私が逃げようとしたのを察知したのか先手を打たれてしまった。

「で、なんやっけ。柘榴の他にも可愛ええ子がおるのになんで柘榴を選んだんか気になっとんだっけ」

少し意地悪そうに言う北さん。

『まあ、ちょっと気になったというか…』

「何引け目感じてんの、そない気にせんと聞いてや」

「さっきも言うたけど、部活の奴らより先に柘榴が思い浮かんだんやけん、それだけや。」

なんでそんなに恥ずかしくなるような、

期待させるようなことを平然と言うのだこの人は…

「それに、可愛ええ子言うても手作り料理も一緒にいて欲しいかも柘榴より仲良おなんないと浮かばんわ」

ほんとにほんとにそういうとこだと思います北さん。

『じゃあ、あの二人三脚の方は？』

可愛いくて、仲良さげで一緒に足結びあって走った仲の人は？

私より断然可愛いし仲もいいのでは

「二人三脚のあれ代理やねん、ほんまは男やったんやけどそいつ昼にすっ転んだんや」

「それに橋本は彼氏おるねん、滅茶苦茶お熱いで」

じゃあ、私が勝手に勘違いして、勝手に嫉妬したっていうこと…？

嗚呼！自分の頬を全力で殴りたい

羞恥心で顔が真っ赤な気がする。

『そ、そうだったんですね私ったらなんか、勝手に勘違いしてたみたいで、ははは…。』

笑い方もぎこちない、今ならoSiriの方が上手に笑えるきがする。

「ふふ、まあええ一面見れたわ。閉会式行こか」

心が何処かスッキリしたような感じになり、腰を上げる。


3年と2年の集合場所は違うので1人で歩いてる途中、

私は気付いてしまった。

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