セッティング3 ページ6
現場の写真や周りの生徒の証言も書いてあるのに肝心の私については何も書かれていない。誰が何の意図があってこんな資料作ったんだ感心して損したぞ。
「それ作ったの僕なんだけど」
お前かい
「書いてない、というかね。理由は2つ。一つは、君の立場はかなり複雑でね。すぐには決められないんだ」
ちらっと側の植え込みに目線を外して英智は嘆息する。
「君は表向きは普通に転校してきた子だ。けれど、実際は薬袋監督と天祥院財閥を繋ぐ人質のようなものだ。そんな子を軽率に退学や停学にしてみなさい、傷を負うのはこっちだ」
………いや、あの、ごめんなさい。
ていうかそれは私どうしようもなくない？別に入りたくて入った訳じゃないんだしさ、だからって『もう嫌です』って辞められる立場じゃない訳よ。
それならもうせめて何事もなく平穏暮らしたいのよ。
「それともう一つは君についての証言が無さすぎるからだよ」
……反論の前に文句言える立場じゃなかった。ごめんなさい。
そりゃそーだ。誰とも会話した事ないなら『どんな子でしたか』って聞かれても答えられるわけがない。ましてやそんな子が他人を傷つけたとなると印象はよくて”最悪”だろう。
はい、それで？傷害事件が起きました。被害者は自分と親しく献身的(プロデュース的な意味で)に尽くしてくれる子で加害者はなんか喋ったこともないよく分からん根暗女。
どっちを信じるかなんて明白だ。ていうか私でもそうする。
「だからね、A。これはチャンスだよ」
「………えっ何が？この状況でなんでそう思ったわけ？え、は？頭おかしいんじゃないの？」
全く意味がわからないと戸惑う私を笑いながら視線は逸らしたまま英智は続ける。
「言っただろう？みんなAの事をよく知らないって。この機会にみんなと少しでも交流してくればAもコミュ障克服できると思うんだけれど」
「無理！！！」
「瞬殺だね」
「もういい！もうわかった！英智の魂胆はわかったから！もう帰るから！！あーもー、っと早く気づけばよかった！」
「おや、酷いねぇ。僕は君をどうこうするつもりはないよ」
「ぜっっったい嘘！だったらそこの”植え込みに隠れてるひと”はなんなの！？」
「───おやぁ？バレていましたか」
植え込みの中から(どーやって入ってたのかは知らんが)髪の長い大柄な──っていうか日々樹先輩が葉っぱつけてガーデンテラスに出てきた。
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翔。(プロフ) - 好きです！！最高に面白いです！！エリートヒキニート最高！ (2019年1月20日 6時) (
レス) id: 63a2837fb8 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - ♪咲那♪さん» わーいありがとうございます(^o^)/頑張ります！ (2018年5月15日 0時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
♪咲那♪(プロフ) - おもしろくて続きが気になったのでこれからも更新頑張ってくださいね！ (2018年5月7日 22時) (レス) id: 282e7e9f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐藤 | 作成日時：2018年4月7日 1時
