スピーキング3 ページ30
ここだ、と衣更先輩が案内してくれたのは購買からさほど遠くない空き教室。
勿論中には誰もいない。
その教室の一角で私と先輩が向かい合うように座った。
「さてと、ん〜どっから話そうかなぁ……まあ大体心当たりはあるよな？」
ないわけがないですよね？
「あぁいや、えっと、責める訳じゃなくてな…なんというか……俺も一応生徒会の人間だし、他の奴らよりは詳しく知ってるつもりだ。……だから、ちょっと気になったことがあってな」
衣更先輩がまっすぐ私の目を見る。
やめて…特に疚しい事がなくても目を合わせるのが苦手な人間もいるのよ……
そんな私の心情は構うことなく先輩は続ける。
「やってないのは知ってる。問題はその後──学院側が釈明しようとした時、お前『自分でやるからいいです』って言ったよな？」
「………」
「でもお前が説明してる様子はないし、それどころか噂はどんどん酷くなる一方だ」
「………」
「あぁいや、別にお前が悪いって言ってる訳じゃなくてな…ただ今からでも学院側から説明して欲しいなら俺が会長に言おうかって、そう伝えに来たんだ」
別に釈明を断ったことに大した理由は無い。
というか物凄く私的な事なんだけど、ほら、あるじゃん？容疑者が冤罪だってわかった時のあの、「辛かったね、大丈夫？」とか「わかってあげられなくてごめんね」とか。
───あれ、死ぬほど嫌い。
当事者でもなんでもないのにどうしてそんなに人を批判しておいて平気な顔で手のひらが返せるのか、
外野の同情ほど偽善的なものはないだろう。
それだったらまだ欺瞞の目を向けられていた方がましだ。
だから別に釈明する気はさらさらないんだけど……
「……薬袋？」
「……え、あっ」
そうだ、衣更先輩はどうしよう。
手駒が増えればやれる幅は広がるけどその分負担も増える。主に私の精神面的に。
別に仲間が欲しい訳じゃないし味方してほしいわけでもないんだよなぁ。ぶっちゃけ英智と夏目がいれば大体の人の行動はわかるし。
まああいつらは自分のその立場が分かってるからこそ私に無茶苦茶言ってくるんだけど。
だとしたら、衣更先輩はとりあえず────
「────衣更先輩……」
「ん？」
「…………あの、ですね──────」
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翔。(プロフ) - 好きです！！最高に面白いです！！エリートヒキニート最高！ (2019年1月20日 6時) (
レス) id: 63a2837fb8 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - ♪咲那♪さん» わーいありがとうございます(^o^)/頑張ります！ (2018年5月15日 0時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
♪咲那♪(プロフ) - おもしろくて続きが気になったのでこれからも更新頑張ってくださいね！ (2018年5月7日 22時) (レス) id: 282e7e9f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐藤 | 作成日時：2018年4月7日 1時
