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三分後、ひたすらよしよしと撫でられていたイデアであったが、唐突に意識が覚醒して現状を理解した為に勢いよく顔を上げた。
顔を真っ赤に染め上げ、ひたすら平謝りしていた彼のことを今度は宥めることとなったのである。
｢ごめん……ありがと、助かったよ｣
｢構いませんよ。溜め込んで良いことなど起こりませんし、適度に発散させなくてはなりませんからね｣
｢それをA氏が言うんですか？ え？？｣
｢戻りましたよ。おや、イデアさんは復活したんですね｣
｢おかげさまでね……ア、アズール氏もありがと｣
｢いえいえ、同じ部活の
そして、Aはメロンタルトを、アズールは豆乳プリンを、オルトとイデアは南瓜スープと一緒にパンを食べ始めた。
先程まで意気消沈していたとは思えない食べっぷりに、アズールとオルトは顔を見合わせて安堵の息を吐き出す。
素晴らしい兄弟愛と友愛を目の当たりにしているAもまた、気付かれないように口元を緩めたのであった。
＊＊＊
食事を終えた後、この面子が集まっているのだから、どうせならボードゲームで遊んでいかないかとオルトが提案をした。
モストロ・ラウンジの開店時間までは特に用がないアズールと、これから読書に勤しもうかと考えていたAは二つ返事で頷きを返す。
ぱあっと顔を輝かせたオルトはAとアズールの手を繋がせてから、イデアとAの手を引っ張って駆け出した。
｢うわ、わわっ、オルト速いよ……！｣
｢ちょっ、待って下さっ……！？｣
｢早く早く〜！｣
｢ほらお二人共、頑張って足を動かして下さい｣
｢何でAさんはオルトさんの速さについていけるんですか！！？｣
｢A氏、チートじゃないですかヤダー！｣
オルトとAに引きずられるようにして中庭を走っているイデアとアズールという図を、とある二人が呆然とみつめていたことに誰も気が付いていないようだ。
キンキンに冷えている空気が肌を突き刺し、吐き出す息が真っ白になる程に冷え込んでいる日だというのに、イデアとアズールの二人の体は汗が滲む位に火照っている。
指の先に至るまで体が温まり、どちらかといえば暑いと思うようになったところで、暖房がガンガンに効いているボードゲーム部の部室へと足を踏み入れた。
｢アッツ！ え、暑すぎではごさらんか！？｣
｢イデアさんが暖房を付けっぱなしにするからでしょう……！？ 本当に暑いな！｣
｢え？ 暑いかな？｣
｢普通かと｣
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神桜佳音(プロフ) - ゆるりさん» わざわざありがとうございます！更新楽しみにお待ちしておりますね！ (2020年6月13日 12時) (
レス) id: 8032f2476b (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 咲桜さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
咲桜(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました！和歌のチョイスも素敵でした！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: cb464004df (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 神桜佳音さん» そっちもありましたね！ 何となく思い浮かんだ歌を書いてたので……くっ、そっちでもよかったのに……！！ 後で出させて頂きます！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませていただいております！最新の更新の話で百人一首が出ておりましたが、君がためで、監督生君は春のに続けたのでしょう？おしからざりし命さえもあったのでは…？と思ってコメントしてしまいました！更新応援しております！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 06bd6db604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月18日 1時
