鱓と蛸と夜叉 ページ5
とぽん、こぽこぽこぽ。
"珊瑚の海"という名前の通り、色とりどりの珊瑚が澄んだ海を鮮やかに色付けしている。
他にも海藻や大きな貝殻、更には沈没船などが周りに存在していた。
「うわ、一面の珊瑚礁、すっげー眺め! ケイト先輩が見たら、『マジカメ映え〜』とか言って撮影しまくりそー」
「凄く綺麗だね!」
「ゆっくりと景色を楽しんでいるヒマはねぇぞ。早い所、目的の場所へ向かおう」
「ふんがッ! 水の中って全然前に進めねぇんだゾ〜。何でAはそんなに動けるんだ!?」
「慣れですよ」
水中で動くことに慣れているAが先に安全を確認してから、後ろをユウ達がついて行っている格好になる。
岩場や波の動きを利用しながらアトランティカ記念博物館を探していると、漸くそれらしき建物が見えてきた。
真珠のように白くて真ん丸な灯りが飾られており、巻貝や珊瑚で造られている建物だ。
日本語では
「あれ、アトランティカ記念博物館じゃね?」
「でしょうね……なれど、やはりそう上手くはいかないようですよ」
「え、何で?」
「多分ですけれど、双子が来ておられますよ」
Aが何かを察知したと気付いたジャックが辺りを警戒し、それに釣られてエーデュースとグリムもマジカルペンを構えた。
黒くて長い影が博物館の外壁にほんの一瞬、極僅かに写ったのを彼女は見逃さなかったのである。
すると、何処からか甘い声が聞こえてきた。
「あ〜〜〜〜♡ きたきた、小エビちゃん達」
「ごきげんよう、皆さん。如何です? 海底の世界は」
「この声は……そっくり兄弟!」
「正解で〜す。って、あれ? 何でAちゃんもいるの?」
「おや、本当ですね。Aさんがいらっしゃるとは思いませんでしたが……成程、また巻き込まれたのですね」
「貴方達もその一端を担っておられるとお分かりですかね」
よく言えるものだ、とAが溜息を吐き出しながらジェイドに言い返したものの、意味をなさなかった。
フロイドは自覚無しであろうが、ジェイドは自覚ありで楽しんでいるところがある為に厄介である。
「つーか、あんたら何だその姿は!?」
「何って、"何時もの姿"だけど? だってオレ達、人魚だもん」
初めてリーチ兄弟の人魚姿を見たA以外の面々は、ぎょっと目を見開いた。
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ゆるり(プロフ) - ミニ林檎さん» お褒めの言葉、ありがとうございます!承りました。順番に書いていますので、少々お時間頂きますね。 (2020年4月23日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ミニ林檎 - 素敵な、ストーリーですね。リクエストしたいのですが閣僚の皆んなから追いかけられる話が見たいです。 (2020年4月23日 20時) (レス) id: a0bbb5bb79 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - **さん» こちらこそ、素敵なリクエストありがとうございました!楽しく書かせて頂きました〜! (2020年4月23日 13時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
**(プロフ) - ポムフィオーレのみなさんの美を追求する姿勢は夢主ちゃんにとっても居心地がいいものなのかなあと、ほっこりしました…!想像するだけで幸せになれる素敵なひとときをありがとうございました (2020年4月23日 11時) (レス) id: dd9fb51a76 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 月兎さん» わ〜!!そんなことを言って貰えて光栄です!リクエスト承りました。順番に書いていますので、少々お時間頂きますね。 (2020年4月23日 0時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆるり | 作成日時:2020年4月17日 0時