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リドルとケイト、トレイと共にAが向かった先は、誰の部屋でもなく厨房であった。
先程の会話の裏がいまいち理解出来ていない三人は、きょとんと首を傾げながら不思議そうにしている。
戸惑っている彼らを一旦放置しつつ、Aは冷蔵庫や戸棚から必要な食材や道具を取り出しては机に並べ、材料が足りるかどうかを計算していた。
｢苺のミニタルトでも作るのか？｣
｢ご名答です。苺のミニタルトとチーズケーキブラウニー、一口チョコパイの三つを作ります。……後、ケイトさん用にピンチョスなんかを作りますので、ご安心下さいませ｣
｢Aちゃん大好きっ！ けーくん用に作ってくれるやつは、ちゃんと手伝うからね｣
｢ボクも手伝うよ。分量計測は任せておくれ｣
苺やミニトマトを流水で軽く洗ったり、クリームチーズや薄力粉、ミルクチョコレートの正確な分量を取り分けていく。
お菓子作りが得意なAとトレイを中心にしながら、ミス一つなく的確に手順を踏んでいけば、手間のかかるお菓子作りも早く終わるものだ。
後は粗熱をとったり、ブラックペッパーやオリーブオイル、上白糖をかけたりすれば終わりである。
リドルとケイトがきらきらと輝く瞳で時間が経つのを待っていたところで、不意にAは立ち上がると、目的を達成する為にある人物を呼びに向かった。
＊＊＊
｢失礼、少しよろしいでしょうか。オリヴァーさん｣
｢あ？……って、あんたは｣
｢改めましてご挨拶を。お初にお目に――｣
｢さっきのカッケー女じゃん！！｣
金髪に大量のピアスが特徴的なオリヴァーに話しかけたのであったが、何とも予想外の反応を貰ってしまった。
最初は不機嫌であったというのに、Aの姿を視界に捉えた途端、頬を紅潮させながら肩を掴んできたのである。
いきなりのスキンシップに加え、完全に初対面の人間から尊敬を含んだ眼差しを送られたことに対し、彼女は意味が分からず桃色の唇を引き結んだ。
やはり異世界といえど外国、パーソナルスペースが狭い輩が多い気もする。
｢あっ……と、悪い。不躾に触れて悪かった｣
｢いえ、構いません｣
｢そんで、Aだっけか？ 俺に何か用か？｣
｢用という程でもありませんが、今から知人と軽食をとるのです。よければ貴方も如何でしょうか｣
｢あー……俺が交ざっていいのか？｣
｢良いから誘っているのでしょうに｣
｢なら、邪魔させてもらう｣
これにより、目的達成への第三歩目位を踏み出したこととなったのである。
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ゆるり(プロフ) - 哭狼さん» ありがとうございます〜〜！ 嬉しいです……更新頑張れます！これからもどうぞ、よろしくお願い致します！ (2020年7月2日 9時) (
レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
哭狼 - ゆるり様、夢主の推察能力が半端なくて素敵でした！物語の続き楽しみにしてます。この作品が、大好きです(^^)すごく面白かったですm(__)m (2020年7月2日 2時) (レス) id: adf4aefcff (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - リリア最推しさん» 勿論出演予定ですよ！この後のお話に出てきますので、少々お待ちくださいませ！ (2020年6月28日 14時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
リリア最推し - 夢主の髪が切られたら1番黙ってない妖精王が居ますけど、出演ありですか？？ (2020年6月28日 13時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 哭狼さん» お褒めいただき光栄です〜！ 私の文章能力で、書きたいことが伝わるか不安でしたが……良かったです！ (2020年6月28日 8時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年6月21日 12時
