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1-4:魔人と少年 ページ11

Fyodor side


「やばい、やばい……」


なんて事をうわ言のように呟きながら、Aさんはキッチンを走り回っている。彼女の綺麗な髪が靡くのを見ているだけで、ここ数日は時間を潰せてしまいそうだ。

僕とした事が、先程は少し動揺してしまいました。一時はどうなる事かと思いましたが……彼女の傷に穢らわしい物が入る前に、何とか処置できましたね。僕の親愛なる聖女さまを、こんな事で穢れさせてしまう訳にはいかないですから。

さて。Aさんがいそいそと朝食の用意をしている間、僕は"あの子たち"のお相手でも致しましょうかね。

僕は彼女の居るキッチンを後にして、その奥にある小ぢんまりとした部屋へと向かった。


「あれ?お兄さん、誰だっけ?ふょ、フョーデルさんだったような……」


僕が部屋に足を踏み入れると同時に、テーブルの上に座っていた1人の少年は、きらきらとした大きな瞳をこちらへ向けた。

彼は……沙紗くん、でしたっけ。彼はきっと、明るい活発な子だ。僕なんかは見ているだけで眩しくなるくらいに。


「沙紗の阿呆。フョードルさんだろ」


「いてっ」


そしてもう一人の少年は、片割れに軽く足蹴りを入れた後、どこか悩ましげに頭を搔いた。……おや、銀縁のお高そうな眼鏡が少しズレている。

彼は確か、杏那くんと言ったはずですね。この子もまた、沙紗くんとは違った面白さがあります。ですが、少々子供らしくありませんね。大人びている。


「そうそう!フョードルさんだ!フョードルさん、何で俺たちのトコ来たの?」


「Aさん……聖女さまに頼まれまして」


僕は彼らにそう言って、忙しそうに走り回っているAさんに目線を合わせた。もしかしたら目が合うんじゃないか……とも期待をしましたが、その可能性は無さそうですね。彼女の邪魔をする訳にもいけませんし。

その頃、二人の少年たちは僕の事なんかお構い無しに何かを話していた。"久しぶりの来客だ"とAさんが大変喜ばれていたのが脳裏に残っています。あぁ、あの時の彼女は凄く可愛らしかった。

もっと、この目に彼女の姿を焼き付けておけば良かったでしょうか。


「――ねぇ、フョードルさんはどう思う!?」

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びねつ(プロフ) - 夜のお魚さん» お褒めいただきありがとうございます……😭😭そう言って頂けると凄く嬉しいです🥲応援を糧に更新頑張ろうと思います‼️👍 (2月27日 20時) (レス) id: 50028a7fa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:びねつ | 作者ホームページ:-  
作成日時:2024年2月25日 20時

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