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幸せの予兆 ページ3





『アイは恋愛してたんだね。...気付かなかった。』

「そうだよ〜。あ、Aは最近どうなの?」


効果音を付けるなら「ニマニマ」が妥当だ。
そんな笑み。絶対からかってる。


『......別に。』

「絶対うそじゃーん!」


私は恋愛なんかしていない。
職業柄、恋愛なんてしてはいけないんだ。
私はアイみたいに器用じゃないから。
そんなこと全て承知で、私はこの世界に居ることを決めた。


「...まあ、私はずっと応援してるよ。」

他人事のような返事をした。
笑っていいのかわからなかったから。


『私も病院ついてくね。』

「ほんと?嬉しい〜!」



社長たちにはもう話してあるんだ、そう言いながらアイは自身のお腹を撫でた。
その姿は、理想の母親だった。
この子はきっと良い家庭を築ける。
幸せになれる。


『産むからには幸せになってよね。』

「Aも一緒に名前考えるんだよ。」


___私も、幸せに誘ってくれるんだね。

少しだけあったかい気持ちになれたよ。
ありがとう アイ。




。。。。




アイと私は早速支度を始めた。
まず私たちは世間に顔が知られている。
そのため変装は必須、細心の注意も怠ってはならない。


私は自分のツイッターアカウントを開いた。
フォロワー数、およそ70万人。
これだけの人に私を見てもらっているのは、きっとあの人のお陰だ。


〘無期限の活動休止をさせていただきます。〙


長々とした文章は好きじゃない。
リスナー様に謝罪と活動休止のお知らせをツイッターに投稿した。
理由は最もありそうなもので『体調不良』としておいた。

少し荒れるだろうから通知をオフにしておいた。
メールも通知を切った。
少し落ち着いてから、また返信しよう。



友人の妊娠を聞いて もっと焦るものかと思っていたが、案外落ち着いていられるらしい。
しかし不安が消えることはない。


苺プロの社長の勧めで宮崎まで離れることになった。
確かに(言っちゃ悪いが)宮崎の田舎ならアイドルを知らない人が多そうだ。
見つかる心配は最小限というところだ。


「お、お前のツイート トレンド入りしてんぞ。」

「へー。通知切ってたから気付かなかった。」

『私も、』


気になったけどスマホの画面は見なかった。
代わりのように、アイのお腹を見て目を細めた。


ずっと隣を歩いていたつもりだ。
ずっと親友でいるつもりだ。
なのに、アイがとてつもなく遠い存在のように思えた。



〘きっと気のせいだ。〙



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りる - 初コメ失礼します!!!いい感じに歌い手が推しの子に溶け込んでいて、もう好きです!!!!応援してまふ! (11月24日 18時) (レス) @page15 id: 088b936db2 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (10月19日 12時) (レス) id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨音雨音 x他1人 | 作者ホームページ:無いっス。  
作成日時:2023年8月1日 22時

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