ヲタ芸を打つ三つ子 ページ12
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パソコンからツイッターを開いた。
検索にかけたのは「まふまふ」の四文字。
過去のツイートを探ると、どうやら数ヶ月活動休止していた。
心が痛くなって、私はパソコンを閉じた。
。。。。
アイが復帰して数ヶ月。
B小町は それはもう快進撃を...しているわけではなかった。
給料明細を睨むアイ。
アイがお金や利益のことで文句を言うのは初めてだ。
過去ではお金に困っていそうなことはなかったから不審に思った。
「この子達を良い学校に入れたり、習い事させたり、色んな選択肢をあげるには、私がもっと売れて もっとバシバシ稼がなきゃダメなんだよね?
今のままじゃ、この子達を幸せにできない。」
アイの横顔が、ひどく悲しそうに見えた。
__産むからには幸せになってよね。
私が言ったことを気にしているのだろうか。
私がアイを追い詰めているのだろうか。
レッスンに行ったアイを見送って。
日が経っても、アイの声が消えなかった。
。。。。
〔本日はB小町のお三方にお越し頂きました〜!〕
抽選でしか当たらない販促イベント、ミニライブ、ミヤコさんに無理を言って連れてきてもらった。
私たちはおしゃぶりを咥えさせられ、アクアとルビーがベビーカーで私がミヤコさんに抱っこ紐で繋がれている状態。
ステージで踊るアイが、操り人形のように思えた。
頑張って練習していた「作り物の笑顔」
本当に笑わせてやりたくなった。
ツボってアイドルを忘れてしまうような。
__過去に一度。
私のライブにアイが来たことがあった。
最前線でペンライト振っていて、びっくりしたことを憶えている。
その後は緊張ほぐれて一番いいライブができた。
その日はお客さんの盛り上がりもよかったな。
忘れることのない、大切な記憶。
『...ルビー、私のペンライトちょうだい。』
「うん?はいこれ。」
アイのペンライトは赤。
私の企みに気付いたのかアクアとルビーもペンライトを構えた。
「「『バブ!バブ!バブ!バブ!』」」
恥ずかしさを我慢して、ヲタ芸を打った。
周りの客の注目を浴びて、より一層アイの目に留まったはずだ。
目が合った瞬間、アイの笑顔がほどけた。
このライブで誰よりも楽しんでやった。
その後、客に撮られていたのかネット上に「赤ん坊がヲタ芸を打つ」という動画が拡散された。
それで社長にバレたミヤコさんが叱られたのは言うまでもない。
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りる - 初コメ失礼します!!!いい感じに歌い手が推しの子に溶け込んでいて、もう好きです!!!!応援してまふ! (11月24日 18時) (レス) @page15 id: 088b936db2 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (10月19日 12時) (レス) id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
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