前世の未練 ページ11
。
「うわっやばっ!どうする?殺す!?」
「無理だ...体格差がありすぎる。」
『やるなら事故に見せかけてよね。』
「こっちは冗談で言ってるけど、もしかして二人は本気?」
自暴自棄になるミヤコさんを止める手段を話し合った。
これが「育児ノイローゼ」というものなのか。
なんにせよ放っておいたら危険だ。
遂にミヤコさんがアイの母子手帳を連写し始めた。
「オレに考えがある。」
アクアが練った作戦をルビーと私に伝えた。
...うーん、あほらしい。
要約すると「天の遣い」になりきってミヤコさんを騙すというもの。
『...私演技なんてできないよ。』
「じゃあ二人でやろっか。」
「その間にダイヤは母子手帳をしまって。」
『りょーかい。』
すぐにテーブルに移動した二人、私はミヤコさんの後ろにまわった。
二人に気を取られている間に母子手帳をもとの場所に戻さなければ。
「哀れな娘よ。
貴様の心の渇きはシャンパンでは癒えぬ...」
「誰!?」
天の遣いになりきる二人。
始めこそ信じなかったものの「天罰」と「命令」を言えば、簡単に信じ込んでくれた。
大人の協力者もできて利益も大きい。
母子手帳はミヤコさん本人がしまってくれて、再び安心な生活が返ってきた。
『迫真の演技だったね。
二人は演劇とかやっていたの?』
「学校で劇をやったくらい。」
「私は初めてやった。」
それなら二人は才能だ。
将来は女優や俳優になれるだろう。
私は...___将来なんて、考えていなかったな。
。
夜になってアイとルビーは寝ていた。
リビングに来るとアクアが居た。
「お前は寝ないのか。」
『前世で昼夜逆転生活してたせいか全然眠くないの。』
アクアの話し方からして年上かもしれない。
今の生活に満喫しているであろう二人は 前世になんの未練も無さそうだ。
正直羨ましい。
「お前、なんか元気無いよな。なんかあったのか?」
転生後の兄としての気遣いなのか、ただの興味なのか。
私には到底知り得ない 他人の心。
『元気なわけ無いじゃん。前世に未練タラタラなの。』
証拠にアイは前のように笑えていない。
アイの笑顔を見るたびに罪悪感で押し潰されそうになる。
「今の生活に満足してないのか?」
『死んだことに後悔してる。君たちと違ってね。』
いや、ある意味よかったのかも知れない。
こうやって無理矢理に人生を辞めさせられて、私と彼は切られた。
『...最悪。』
。
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りる - 初コメ失礼します!!!いい感じに歌い手が推しの子に溶け込んでいて、もう好きです!!!!応援してまふ! (11月24日 18時) (レス) @page15 id: 088b936db2 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (10月19日 12時) (レス) id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
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