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なんやかんやあって夏休みが始まり、早二週間。
相変わらず部活漬けの日々にややだれてきたのは言うまでもないだろう。
そんなこんなで迎えたクラスの集まり当日、つまり講習会の朝。
我々吹奏楽部はお馴染みのTシャツジャージスタイルを改め、正装に身を包み、校門にて他校のバスがやってくるのを待ち構えていた。
正装というと仰々しいが、制服の半袖シャツと自前の黒ズボン。そして問答無用の全員前髪上げ(決まりとはいえ前髪上げだけは絶対に理解できない)。コンクールや講習会に限っては吹奏楽部員女子はスカートを履かない。
まあ、よくよく動き回る上ガニ股にならざるを得ない場面が多々あるため、正直ありがたいの一言に尽きる。
「暑ぃ」
そして惜しくもじゃんけんに負けてくださった我らがパートリーダー先輩のおかげでめでたく最高のハズレくじだろうお迎え担当となったcl一同は、てきとうに決められたペアで各校を待ち構えることとなった。
私と先輩は五分後来校予定のバスを照りつける暑さの中待っている。
私は違和感ばかりの開けた視界にそわそわしながら前髪を留めているピンに数度触れ、落ち着かない気持ちで額を左手で隠した。
「おーおー、運動部は元気やねぇ」
「今月一の猛暑日らしいですね」
「ようやるわぁ」
「私、今だけは先輩の心が読めます。講習会でよかったって思ってるでしょ」
「あたり」
今しがた学校に帰ってきたばかりだろう運動部の大群が校門に向かってきている。
ヌーが群れを成してライオンから逃げている動画をなんとなく思い出しながら、それを横目に見ると、男子バレー部だった。
普段はたいてい涼しい顔をしている北先輩も今日ばかりは暑そうだ。(ちなみに北先輩は私と二年連続で委員会が同じで、今年は委員長を務めている)
男子バレー部かぁ。
私は額を覆い隠していた左手を両手に変えて、やや俯きがちにして彼らが通り過ぎていくのを待った。
「お、バス来た」
「……どこですか？」
「見えへんの」
「いや、何も。先輩って元猟師だったとかです？」
「ここに来るまでは中学生やってた」
「そりゃそうですよね」
校門から身を乗り出して学校前の通りを覗き込むと、ややあってバスが曲がってきた。
見えるとかの騒ぎじゃなかった。曲がってくるバスの姿を目で認識するなんて単なる視力でどうにかなるものじゃない。
「……予言者？」
「ちゃうけど。俺がトラックに搬入口案内、お前が人間の案内な」
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エコ - かなけんさん» 感想ありがとうございます。メチャクチャに嬉しいのですが、この感動を言葉に表すに足る語彙力がないので、うまく伝えられなくて申し訳ないですが、本当に本当に嬉しいです。スクショしてにやにやするぐらいです。遅筆ではありますが、これからもよろしくお願いします。 (2022年3月28日 23時) (
レス) id: 3464e68ae3 (このIDを非表示/違反報告)
かなけん(プロフ) - めっちゃ好きです！！毎回更新されるの楽しみすぎます！！💞 (2022年3月27日 22時) (レス) @page19 id: 4ee55b59ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エコ | 作成日時：2022年3月13日 23時
