90話 ページ44
そして一日の練習は終わり合宿も残り数日になったとある夕方、夜ご飯を食べに食堂に行くと大量のカレーライスが準備されていた。合宿といえばカレー、まさに王道なメニューだ
「わーお、夜ご飯カレーじゃんか」
「あんま嬉しくなさそうやな」
カレーがあまり好きじゃない僕は、お腹に手を当てて少し悩んだ。好きじゃないと言っても食べれないほどじゃない。
けれど辛口、中辛は食べれない
お腹が空いてなければ食べなければいいのだろうが、ほんの少しだけ空腹を感じる今、食べないというのは難しくも思える
「侑、カレーひとくち頂戴」
どうしようかと迷った末たどり着いた結論は試し食いをするということ。本当は好き嫌いしないで食べたほうがいいことは分かってるし、スポーツマン的に夜ご飯を抜くのは良くないだろう
「自分で持ってくればええやろ」
だからこそ、侑の言ってることは正しい。だが僕は侑をジト目で見つめ溜息をこぼす
「からかったら僕食べれないじゃんか。試食のひと口だよ、ね?お願い」
今度は侑がジト目で僕を見たあと、今度は彼がため息をこぼした
「まあ?俺は優しいし?Aのこともよく知っとるからな!一口ぐらいなら分けてやってもええで!!」
得意そうな顔でこう言われると、じゃいいよと言いたくなるが、一口頂戴とお願いできる相手は今ここに侑以外には居ない
「…どーも」
少し悔しいがしょうがないため、侑に一口分けてもらうことにした
「ええで!何やって俺は優しいからなぁ!」
食堂はガヤガヤしているが特に声の大きい侑に近くにいる人の視線は自然と集まる
「そーいえばさっき影山に何言ってたの?」
クールダウン中影山の元へ絡みに行った姿を見たが会話までは聞いていなかったため興味本位でそんなことを聞いた
「んあ?や、お利口さんやなってだけや」
「どういうこと?」
僕は意味がわからず聞き返すと、「そのまんまや」と返された。しかしその意味がよくわからない。
「スパイカーが欲しい場所にボール出して、スパイカーに服従するみたいにやっておって、お利口さんやなって」
97人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
香恋(プロフ) - Uさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです!時々よくわからない表現が出てくるかもしれませんが今後ともぜひこの小説を楽しんで読んでもらえたら嬉しいです! (2022年10月24日 22時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
U - 主くんの消えてしまいそうでありながらも逃げることができないという状況そのものや、心理描写が儚すぎて思わずコメントしてしまいました…!この作品ほど続きや終わりが気になるものに出会えたのは初めてです!素敵な作品を作ってくださりありがとうございます!!! (2022年10月24日 20時) (レス) id: 84c1c08764 (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - ウリンさん» ありがとうございます!そう言ってもらえて凄く嬉しいです!!ほぼ毎日更新できるように頑張ります! (2022年10月2日 22時) (レス) @page28 id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
ウリン(プロフ) - さっ最高です…香恋さんの書く心情描写がリアル過ぎて物語に簡単に入り込めます…応援してます!更新ありがとうございます! (2022年10月2日 21時) (レス) id: 34bb7b30de (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - さーさん» コメントありがとうございます、そう言ってもらえてとても嬉しいです!!できる限り毎日更新できるように頑張るりますね (2022年9月17日 16時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:歌恋 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/suikahqd/
作成日時:2022年9月8日 23時