失敗人生2

74話 ページ28

自分がどうしたいのか、何を望んでいるのか、どうしたら救われるのかなんてわからない

けれど、これは自分のことであってみんなに頼るのではなくて自分でも探さなければいけないと思い部活終わり、一人になった帰り道で考えながら歩いていた

(…わかんねぇよ)

本当のことを話したら心が軽くなるってよく言うし、実際この間みんなに話して少しだけその言葉がホントだってわかった

でも、だからってこのことだけは言えない。特に家族とか当事者には。ならどうしたいのかと考えてもよくわからない

「もしもし？久しぶりだね、Aちゃん！」

自分でいくら考えても何も浮かばなかったため、家についてご飯を食べたあとに僕は電話をかけた

「お久し振りです」

本当はこの人を頼りたくはなかった。けど、１番こういう相談をできる人で家の事情を知ってる人に聞こうと思った

「もー！硬いなぁ。そーいえば、大会お疲れ2位おめでと」

「ありがとうございます」

僕がお礼を述べると「ま！次の優勝は俺たちだけどねっ！」と返事が来たため、適当に「そうですか、負けません」とだけ返しておいた

基本的に良い人だけど性格が難ありというか面倒くさい

「それで要件は？」

「相談、というかなんていうか」

なんて言えば言うのかわなくて言葉を最後に濁してしまったがなんとなく察してくれたのか「あー、はいはい」と電話の向こうから声が聞こえてきた

「いーよ、今から及川さんのお悩み相談室営業開始！」

「…ありがとうございます」

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