60話 ページ14
(こうやって、笑っていられるなら…)
すべてを隠して生きていたい。
そうすれば嫌われないし、独りにならなくて済むんだから
(あぁまた苦しい。息がしにくい)
首を思い切り締め付けられる感覚に何度も襲われるけど、それでもこの生き方以外に独りにならない方法なんてわからない
(より痛いのはどっちだ？どっちを選べば楽になれる？)
そんなの僕にはわからない。だからこそ違う間違った道を選ぶことなんてできない
「ほうか…」
スマホの画面越しから寂しそうな声が聞こえてくる
(そんな声出すなよ…)
僕だってどうすればいいのかわからないんだから
「悪いけどそろそろ切るから」
そう言い僕は電話を切った
はあ、とため息をつき目を閉じる
瞳を閉じるたびに記憶の中を漂っては昔の自分が泣いている
(独りぼっちの弱い僕なんて、もういらない)
目を開き僕はお風呂に入った
湯船に入り深呼吸をするが、心の中のモヤモヤが消えることなどない
自然と募る苛立ちにどうすることもできずそれが更に苛立ちを膨らませる
お風呂を上がり部屋に行くと全身鏡に映ったぼくが視界に入る。あまりに無力で、でも消えることのない僕の思い
「でももう後戻りなんてできないから…」
疑うことも何も知らないあの頃に戻れるなら、なんて考えるだけ無駄なのにそれが叶えばどれほどいいだろうかと考えてしまう
鏡の奥にいる自分を見つめ、笑顔を作り笑って見せる
「僕に笑う資格なんてないのにな」
気持ち悪い笑顔を貼り付けた僕自身に向けてそういう
(家族を不幸にしたんだから毎日下を向いて歩いていくのが僕の生き方だろうに)
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香恋(プロフ) - Uさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです!時々よくわからない表現が出てくるかもしれませんが今後ともぜひこの小説を楽しんで読んでもらえたら嬉しいです! (2022年10月24日 22時) (
レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
U - 主くんの消えてしまいそうでありながらも逃げることができないという状況そのものや、心理描写が儚すぎて思わずコメントしてしまいました…！この作品ほど続きや終わりが気になるものに出会えたのは初めてです！素敵な作品を作ってくださりありがとうございます！！！ (2022年10月24日 20時) (レス) id: 84c1c08764 (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - ウリンさん» ありがとうございます！そう言ってもらえて凄く嬉しいです!!ほぼ毎日更新できるように頑張ります! (2022年10月2日 22時) (レス) @page28 id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
ウリン(プロフ) - さっ最高です…香恋さんの書く心情描写がリアル過ぎて物語に簡単に入り込めます…応援してます！更新ありがとうございます！ (2022年10月2日 21時) (レス) id: 34bb7b30de (このIDを非表示/違反報告)
香恋(プロフ) - さーさん» コメントありがとうございます、そう言ってもらえてとても嬉しいです!!できる限り毎日更新できるように頑張るりますね (2022年9月17日 16時) (レス) id: fa5d44cc5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歌恋 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/suikahqd/
作成日時：2022年9月8日 23時
