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臨也「シズちゃん、君が働いているのは西口じゃなかったっけ」
静雄「とっくにクビんなったさー。それにその呼び方はやめろって言ったろー?いーざーやーぁ。いつも言ってるだろぉ?俺には平和島静雄って名前があるってよぉー」
低い声を出し、血管を浮かべる男。言うまでもない、平和島静雄である。普通にしていればバーテンダーに見えなくもない顔立ちなのだが。
(……ッ、やはり、生で見ると鳥肌モノですね)
彼の放つ、見えない覇気の様なものが『畏怖』を遥かに通り越して、『恐怖』を与えていた。
帝人(顔に血管が浮く人って……実物は初めて見た……。)
帝人はそんな感想を持ったが、あとは何も思い浮かず____ただ、本能的な恐怖が、彼の身体を支配するだけだった。
せめて、外見が
臨也「やだなあシズちゃん。君に僕の罪をなすりつけた事、まだ怒ってるのかな?」
静雄「怒ってないぞおー。ただぶん殴りたいだけさあ」
一見、普通なのが始末に終えない。
臨也「困ったな、見逃してよ」
「だったらそのナイフをしまった方がいいと思います。そして心ゆくまで殴られて下さい」←
臨也「酷いなあ、君は俺の味方じゃないのかい?」
口ではそう言いながら、袖口から先ほどのナイフを取り出す臨也に、若干(というかかなり)毒のある突っ込みを入れる幽李。
杏里「ひッ……」
「いつ僕が貴方の味方になったんですか。
そもそも、僕と同い年の子を怖がらせてる時点で貴方は味方でも何でもないです」
悲鳴を上げる杏里を気遣うように、穏やかな声音でそう言ってのけた。
「……」
帝人「…!!」
そして、呆然としている帝人に視線を送った。彼は意味を理解したのか、ハッとしたように杏里の手を取ると、一目散に駆け出した。
帝人は、杏里と共に大通りに逃げながら、後ろを振り返った。
その瞬間、自分達の出てきた路地からは、静雄の怒号が響き渡った。
今、帝人の中には絶対的な恐怖が渦巻いていた。新しい土地に渦巻く日常と非日常、今のがそのどちらだったのかはわからないが___
少なくとも、自分は決して深く関わってはいけない領域だという思いに溢れていた。
帝人(…そういえば、あの人、大丈夫かな)
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ユキ(プロフ) - エレインさん» ありがとうございます!これからもがんばります。 (2016年8月22日 15時) (レス) id: 2b716bd248 (このIDを非表示/違反報告)
エレイン - とっても可愛らしいイラストで感動しました!小説も面白いし素晴らしいです!これからも頑張ってください! (2016年8月22日 11時) (レス) id: b8676a81ac (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - あおがみさん» あれ?知らなかったんですか? (2016年5月15日 4時) (レス) id: b4895c0cf1 (このIDを非表示/違反報告)
あおがみ(プロフ) - 鈴村ってお人よしだったんだw初耳ぃ!w (2016年5月15日 1時) (レス) id: d3ead911d5 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - あおがみさん» それが鈴村さんと言う男ですよ、鈴村さん (2016年5月3日 22時) (レス) id: b4895c0cf1 (このIDを非表示/違反報告)
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