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臨也「飽きちゃった。携帯を踏み潰す趣味はもう止めよう」


彼女達の姿が完全に消えたのを確認すると___笑い声をピタリと止めた臨也。そして、何事もなかったかのように帝人の方に振り向いた。


杏里「……」


一方、杏里は逃げる事もせず、彼女を庇うようにして立っている___幽李の後ろからそっと顔を出しながら、ただ怯えた目をして彼らを見つめている。


臨也「偉いねえ、苛められている子を助けようとするなんて、現代っ子にはなかなかできない真似だ」

杏里「え……」


それを聞いて、驚いたように帝人を見る杏里。

……実際には物凄く後ろ向きな助けかたをしようとして、目の前にいる少年が助けてしまったのだが。

そして、場の状況をうやむやにしたのは臨也である。その為、彼の心情は、なにやら後ろめたい気分で一杯になった。


臨也「竜ヶ峰帝人君、俺が会ったのは偶然じゃあないんだ。君を探していたんだよ」

帝人「え?」


それはどうゆう事かと尋ねようとした


___瞬間、



臨也「がッ!?」


路地の奥から、コンビニエンスストアにあるゴミ箱(、、、、、、、、、、、、、、、、)が飛んできて(、、、、、、)、臨也の身体に直撃した。

突然の事に反応が遅れた臨也は、苦悶の声をあげ、バランスを崩してその場に膝をついた。


「臨也さん、大丈夫……」


その様子を見て、幽李はやれやれといった感じで声をかけたが……


「じゃ、ないみたいですね。」


ゴミ箱が飛んできた方向に目を向け、再びため息をついた。


「「……??」」


幽李に釣られて、杏里と帝人もゆっくりとそちらを振り向くと___


?「いーざーやーくーん」

臨也「し、シズちゃん」



そこに立っていたのは___サングラスをかけた若い男の姿だった。

バーテンダー服に結び付けられた、蝶ネクタイ。一昔前のキャバレーやスナックの客引きを思わせるような格好。

露西亜(ロシア)寿司で見た黒人には及ばないが、一般的にはかなり背の高い部類に入る事は間違いないだろう。

一見すると細身に見えるその体型。とてもこの男がコンビニのゴミ箱を投げたとは信じ難い。


静雄「池袋には二度と来るなって言わなかったっけかー?いーざーや君よぉー」


だが、臨也は相手の事を完全に理解している様子で___帝人の前で、初めてその顔から笑顔を消した。

〃→←〃



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ユキ(プロフ) - エレインさん» ありがとうございます!これからもがんばります。 (2016年8月22日 15時) (レス) id: 2b716bd248 (このIDを非表示/違反報告)
エレイン - とっても可愛らしいイラストで感動しました!小説も面白いし素晴らしいです!これからも頑張ってください! (2016年8月22日 11時) (レス) id: b8676a81ac (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - あおがみさん» あれ?知らなかったんですか? (2016年5月15日 4時) (レス) id: b4895c0cf1 (このIDを非表示/違反報告)
あおがみ(プロフ) - 鈴村ってお人よしだったんだw初耳ぃ!w (2016年5月15日 1時) (レス) id: d3ead911d5 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - あおがみさん» それが鈴村さんと言う男ですよ、鈴村さん (2016年5月3日 22時) (レス) id: b4895c0cf1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユキ | 作者ホームページ:  
作成日時:2016年4月7日 14時

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