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紀田「そうだ、ナンパに行こう」
パタリと教科書を閉じながら、聞き覚えのあるコマーシャルの口調で呟いた正臣。
未だ大半の人間が制服を纏っている状態で、既に私服である。目立つ事この上ない。
帝人「なんでここにいるの……」
彼の存在に先刻から気づいていたのだが、帝人はその時点でようやく突っ込みを入れた。
教室内に教師の姿はなく、出席番号1番の男子が
『えー、美化委員が山崎君と西崎さん、保健委員が矢霧君と朝倉さん、風紀委員が葛原君と金村さん、選挙管理委員が……』
この学園では基本的に男女一名ずつが各委員に選出される。黒板に書いてある事をいちいち口で確認しながら、司会者が次になすべき事を考える。
「……」
そんな、学期のはじめにある活動を、拓志は頬杖をついて、ぼんやりと黒板を眺める。
因みに、彼は自身の立候補により、選挙管理委員になった。
『クラス委員がまだ決まっていないのですが、誰かいませんか』
紀田「ハ……」
先程から、このクラスの一員ではない者が紛れ込んでいるが、誰一人突っ込まない。
その為、拓志は彼に声をかけるべきか迷っているところだった。
(帝人くんの友達か……確か、名前は、えっと)
『紀田くん』
「……!?」(そうそう、紀田くん……
って、ぇえ!?)
拓志が悶々と、彼の名前を思い出していると、正解と言える単語が、彼の耳を通り抜けた。
そして、正解を教えてくれた、声の正体に反射的に目を向け_____唖然とした。
『いつから君は、A組の生徒になったんだ』
紀田「うわっ、梨恋!!いたのかよ!?
あっ、因みにこいつは、図書委員であり、暴走した俺の世話係だ」
『……自分で世話係とか言っちゃうんだ』
「せ……ん、ぱい……?」
聞こえるか聞こえないかの声で、呟いた。
驚くしかなかった。
_____何故、彼女が“此処”に?
その疑問が、拓志の頭の中を一気に支配する。しかし、幾ら考えても謎は深まるばかりだ。
帝人「えっ、えーっと……」
「あ、折角だから紹介するぜ!
俺が前言った、『餓鬼の頃からの知り合い』がコイツだ!」
『へぇー…
あ、邪魔したみたいで、ごめんね。(スッ』
「……?」
と、彼女が、拓志の机に
帝人「い、いえ……」
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ユキ(プロフ) - エレインさん» ありがとうございます!これからもがんばります。 (2016年8月22日 15時) (レス) id: 2b716bd248 (このIDを非表示/違反報告)
エレイン - とっても可愛らしいイラストで感動しました!小説も面白いし素晴らしいです!これからも頑張ってください! (2016年8月22日 11時) (レス) id: b8676a81ac (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - あおがみさん» あれ?知らなかったんですか? (2016年5月15日 4時) (レス) id: b4895c0cf1 (このIDを非表示/違反報告)
あおがみ(プロフ) - 鈴村ってお人よしだったんだw初耳ぃ!w (2016年5月15日 1時) (レス) id: d3ead911d5 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - あおがみさん» それが鈴村さんと言う男ですよ、鈴村さん (2016年5月3日 22時) (レス) id: b4895c0cf1 (このIDを非表示/違反報告)
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