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Fuma
今日はなんだか、Aちゃんはずっと不機嫌だ。
前の日に作ったカレーは、褒めてはくれなかったけど美味しそうに食べていたし、今日もこうして部屋に上げてくれているから、嫌われてはないんだろうけど...
「Aちゃん。」
「なに?」
「今日ご機嫌斜めなの?」
「なにが?うるさいから早く寝て。」
ここ最近、俺はAちゃんの家に入り浸っている。
まぁ、実際隣にAちゃんが居ないと寝れなくなったのは事実だし、Aちゃんじゃないと勃たないのも事実だ。
だからいつもみたいに、決して広くはないし、むしろ2人で寝るには窮屈なベッドに無理矢理潜り込んだ。
それで、流れに任せて...なんて思ってたけど、今日のAちゃんは偉く頑固だ。
「キスしていい?」
「嫌。今日はそういう気分じゃない。」
「どうして?」
「あー。もう、いい。私向こうで寝るから朝まで絶対来ないで。」
そう言って寝室を出て行った後、僅かにリビングの方から光が漏れてきていた。
テレビの音も聞こえる。今日、眠そうだったのに、目覚ませちゃったのかな。
謝りたいけど、今行ってもっと嫌われるのは勘弁。
俺は扉に背を向けて、必死に寝ようと目を瞑った。
それでも、どうしても気になってしまう。
「...やっぱ謝るか。」
許してくれるかは分からないけど、謝ろう。
そう思ってベッドを出て、音を立てないように扉を開ける。
ソファーから少しだけ覗くAちゃんの頭は、可愛い。
もう、それだけでも可愛いと思ってしまう。
「うん...やっぱり?そうだよね。うん、ごめんね夜中に。」
どうやらAちゃんは電話をしているようだった。
それなら終わってから話しかけよう。電話の邪魔は良くないし。
「うん、分かってる。私も驚いてて...勝利も来るの?分かった。」
"勝利" という名前に反応してしまった。
やっぱりAちゃんは俺なんかより幼馴染なのか。
そりゃ、俺はまだ彼氏でもないし、アイツは幼馴染で、Aちゃんと何年も同じ時間を過ごしてる。
でも、付き合ってないってことは、そういうことでしょ?
「うん、うん、分かんない。前兆は無かったし、春から海外行くって張り切ってて...」
話が全く読めなかった。ただ、Aちゃんは、泣いてる...?
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はる(プロフ) - あらたさん» あらた様 うわー!本当ですね!すみませんご指摘ありがとうございます!これからも当作品をよろしくお願いいたします。 (2017年11月6日 2時) (レス) id: ab803b53a8 (このIDを非表示/違反報告)
あらた(プロフ) - 設定に変わってしまっているのかなと思います。なにか考えがあってでしたら申し訳ありません。これからも更新楽しみにしております! (2017年11月5日 4時) (レス) id: b48a22250f (このIDを非表示/違反報告)
あらた(プロフ) - こんばんは!初めまして。作者様の書かれるストーリーだけでなく、言葉や作品の雰囲気やリズムなど全部がツボです(;_;)作者様のお話が大好きです〜!それと私の間違いだったら申し訳ないのですが、68では主人公は夏生まれとなっていますが70では11月?あたりの→ (2017年11月5日 4時) (レス) id: b48a22250f (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 未空さん» 未空様 もったいないお言葉をありがとうございます!これからもよろしくお願い致します。 (2017年10月26日 1時) (レス) id: ab803b53a8 (このIDを非表示/違反報告)
未空(プロフ) - 今1番好きな作品です!続き楽しみにしてます! (2017年10月24日 0時) (レス) id: 0d0a977df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる | 作成日時:2017年9月13日 2時